5月の生き物観察会~田んぼから境川遊水地

2024年5月12日に行われた
天王森泉公園の生き物観察会。

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このつづきです。

 

 

植物

オヘビイチゴ(雄蛇苺)

田んぼにて撮影

バラ科キジムシロ属の多年草

ヘビイチゴの名前がついているがヘビイチゴ属ではない。

田の畔など湿ったところによく生える。

葉が5小葉からなるが、茎の上部では3小葉または1小葉。

5~6月に、直径8mmの黄色い花をつける。

分布は、日本では本州、四国、九州。
国外では朝鮮、中国、マレーシア、インド。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

ヘビイチゴヤブヘビイチゴ
オヘビイチゴまであるなんて!

見分け方も教えていただいたので、
今度ブログにまとめたいと思います。

 

ヒエガエリ(稗還)

田んぼにて撮影

イネ科ヒエガエリ属の一年草

名前は「稗還り」の意で、ヒエから変化したものと思われたためであるとされる。

(ウィキペディアより)

 

風になびく姿がいい感じで
絵になります。

先端の方の紫色が映えています。

穂が開く前は、
茶色っぽいふさふさの長細い穂に
見えます。

それもいい感じで絵になります。

 

田んぼなどの湿地ではありふれた雑草
とのことですが・・・

私は初めて見ました。

田んぼも湿地も減っていますよね。

田んぼや湿地が増えるといいな!
と個人的には思います。

 

カズノコグサ(数の子草)

田んぼにて撮影

イネ科カズノコグサ属の越年草。

カズノコグサの和名は、牧野富太郎が、いくつかの枝に着いた膨らんだ小穂が互いに密着して、全体として披針形の整った型になっている様子を数の子に見立てて名付けた。

(ウィキペディアより)

 

まだ夏前だというのに、
カズノコグサの黄色い穂を見ると
秋!と思ってしまいます。

黄色の穂が本当に
数の子に見えてきます(笑)

 

ノミノツヅリ(蚤の綴り)

田んぼ脇の道端にて撮影

春に小さなハコベのような花を
咲かせていたノミノツヅリ。

小さなカスミソウのブーケのような
雰囲気でした。

今は、たくさん種をつけています。

丸い種の殻がかわいいです。

ナデシコ科ノミノツヅリ属の二年草。

その小さな葉を蚤の綴り(粗末な衣)に見立てたものといわれる。

道端、荒れ地、畑などに生える。

花は直径5mmくらい。

日本全土に分布する。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

キツネアザミ(狐薊)の綿毛

田んぼにて撮影

キク科キツネアザミ属の二年草。

道端や畑、空き地などによく生える。

茎は高さ60~90㎝になり、よく枝分かれする。

葉は柔らかく、とげはない

花期は5~6月。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

もう綿毛になっていました。

白い綿毛も絵になりますね!

 

コメツブツメクサ(米粒詰草)

田んぼにて撮影

マメ科シャジクソウ属の一年草

ヨーロッパから西アジア原産。

高さ20~40㎝になる。

花の大きさは直径3~4mmと小さく、5~20個が球状に集まる。

花期は5~7月。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

とてもかわいらしいお花です。

一回り大きくしたような
クスダマツメクサも咲いていました。

 

クスダマツメクサ(薬玉詰草)

境川遊水地にて撮影

マメ科シャジクソウ属の一年草

ヨーロッパ原産。

こちらは、花が20~30個
美しい真ん丸にかたまって咲きます。

その姿が薬玉のようなので、
クスダマツメクサという和名がつきました。

 

***

 

コメツブツメクサとクスダマツメクサは
そのかわいらしさからか、
草刈りされずに残され、
きれいに咲いているところが多いです。

 

ハキダメギク(掃溜菊)

道端にて撮影

キク科コゴメギク属の一年草

熱帯アメリカ原産。

戦後になって各地で急に増えた。

和名にあるように、窒素分の多いゴミ捨て場、畑の脇などに多い。

花は直径5mmくらい。

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

小さな花ですが、とてもかわいいです。

 

ヤセウツボ(瘦靫)

境川遊水地にて撮影

4月の観察会でも咲いていたヤセウツボ

 

ハマウツボ科ハマウツボ属。

ヨーロッパ、北アフリカ原産の寄生植物。

関東地方や近畿地方などに帰化している。

マメ科シロツメクサによく規制しているが、他にキク科、セリ科の植物にも寄生する。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

ここでは、シロツメクサアカツメクサ
寄生していました。

 

アゼナルコ(畔鳴子)

境川遊水地にて撮影

カヤツリグサ科スゲ属。

湿地生えるスゲの一種。 

水田の縁などにも普通に見られたものである。

細長い小穂をぶら下げるようにつける。

和名は、垂れ下がる小穂を鳴子に見立て、畔に出現することから。

(ウィキペディアより)

 

タコノアシ(蛸の足)

境川遊水地にて撮影

タコノアシ科の多年草

赤い実を付けた姿がタコの足のようになることからこの名がある。

日本のほか東アジア一帯に分布し、湿地や沼、休耕田など、湿った場所に生育する。

(ウィキペディアより)

 

写真のタコノアシは、
紅葉した後の枯れたタコノアシです。

新しい芽は出てきていないようでした。

 

現在、環境省レッドデータブック
絶滅危惧種に指定されています。

元来は河川下流域・河口域の湿地、水田周辺などに生育していたものでそう珍しいものではなかったが、そのような環境が喪失したことが減少の大きな原因とみられる。

また撹乱依存戦略をとる植物であることから、群落の長期維持には適度な除草が必要である。

競合する植物としてはセイタカアワダチソウ・ツルマメ・チガヤ・オギ・ヨシなどがある。

(ウィキペディアより)

 

ここの環境は、
そんなに悪くなさそうに見えますが・・・

生えてきてくれるといいな!

 

ミズキンバイ(水金梅)

境川遊水地にて撮影

アカバナ科チョウジタデ属の多年草

水辺に生息。

 

現在、環境省レッドデータブック
絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。

ミズキンバイの生育が確認されているのは千葉県、神奈川県高知県、宮崎県の4県のみ

(ウィキペディアより)

 

本種の生育地のうち、唯一の都市河川である柏尾川(神奈川県横浜市戸塚区)では大学・地域住民・行政が本種の保護活動を行っている。

2006年より、治水工事による河床整備のため柏尾川から金井遊水地(栄区)に仮移植された。

柏尾川では治水工事と並行して、本種の生育基盤の設置を進め、2009年2月末には元の川へのすべての移植が終了した。 

(ウィキペディアより)

 

境川遊水地のミズキンバイも
柏尾川から移植されたものだそうです。

大切にしていきたいですね!

 

 

ヘラオオバコ(箆大葉子)

境川遊水地にて撮影

オオバコ科オオバコ属の多年草

ヨーロッパ原産で、食用・薬用ハーブとして利用されている“ハーブ界の名士”

(帰化&外来植物見分け方マニュアル950種より)

 

日本では増えすぎて、
要注意外来生物に指定されています。

 

葉っぱがヘラのような形をしているので、
ヘラオオバコという名前がついたそうです。

 

ツルマンネングサ(蔓万年草)

境川遊水地にて撮影

ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草

朝鮮~中国が原産。

葉が3輪生し、茎が赤い。

外来種として嫌われることが多いものの、この茎葉、民間薬として肝炎の改善に使われてきたほか、生の茎葉を突いて潰したものは虫刺され、切り傷の妙薬とされてきた。

食用にもなり、クセがまるでなく食べやすい。

(帰化&外来植物見分け方マニュアル950種より)

 

ナヨクサフジ

境川遊水地にて撮影

マメ科ソラマメ属の一年草

ヨーロッパ原産。

絶滅危惧種を含む在来種と競合、駆逐する

一部地域などで河川敷やその周囲で大繁殖している光景を目にすることも多くある。

(ウィキペディアより)

 

ここ境川遊水地でも、
河川敷で大繁殖しています。

 

ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)

境川遊水地にて撮影

アカバナ科マツヨイグサ属の多年草

花期は5~7月。

アメリカ原産。

庭や花壇に植えられていたものが逃げ出し、
野生化したものも見られます。

とってもきれいで幻想的な雰囲気で、
好きな花です。

 

***

 

私は絶滅危惧種でも
在来種でも
外来種でも、
きれいだな~とか
かわいいな~とか
涼やかだな~とか
魅力的だな~とか思います。

結局、どの植物も
それぞれ素敵なのです。

自然界ではバランスが大切
なのだと思います。

 

境川遊水地は2年に1度くらいは
川が溢れて水浸しになっていたそうです。

川は上流から色々な種を運んできます。

今の日本の河原は外来種の宝庫です。

その影響で、
境川遊水地で見られる植物は
圧倒的に外来種が多いのだそうです。

 

外来種を毛嫌いしている
つもりはありませんが、

外来種が増えすぎて、
元々あった日本の在来種が
消えてしまうのでは本末転倒!

在来種も大切にしたいです。

 

昆虫

ヤナギルリハムシ

田んぼにて撮影

ハムシ科の甲虫。

・大きさ:4mm前後

・出現期:4~11月

・分布:北海道、本州、四国、九州、奄美

(昆虫エクスプローラより)

 

成虫も幼虫もヤナギ類やポプラの葉を食べる。

成虫で越冬する。

(野生生物ネットワークより)

 

ルリハムシの名の通り、
とても美しいメタリックな瑠璃色が
きれいです。

 

ニッポンヒゲナガハナバチのオス

田んぼにて撮影

オスの触角が長いので、
この名がついたそうです。

全長14mmくらいのハチです。

4~5月春のみに出現するそうです。

 

こちらは触角が長いオスです。

 

モンキチョウ

田んぼにて撮影

モンキチョウは、
メスが白っぽい色なので、
こちらはオスです。

 

ムクドリ

田んぼにて撮影

スズメ目ムクドリ科の留鳥または漂鳥。

この日は田んぼで草刈りをしていて、
飛び出してきた虫たちを目当てに
ムクドリが群がっていました。

 

カワウ

境川遊水地にて撮影

遠すぎてピンボケです。

 

カツオドリ目ウ科の留鳥、漂鳥。

 

境川遊水地では3月に草刈りと
木々の伐採を行ったようで・・・

あまりにもバッサリと切ったため、
鳥が一気に減ってしまいました。

 

カワウもコロニーをつくっていたのですが、
この日に見られたのは数羽のみでした。

 

境川遊水地は野鳥観察目的で
訪れる人も多いところです。

 

治水も大切ですが、
鳥たちの生きていく環境も考えた
草刈りと伐採をしていただけると
ありがたいです。

 

ダイサギ

境川遊水地にて撮影

ペリカン目サギ科の夏鳥、漂鳥、
一部冬鳥。

 

冬は目先とくちばしが黄色ですが、
今はすっかり夏羽になり
目先が青で口ばしは黒になっています。

夏と冬で口ばしの色が変わるって
おもしろいですよね。

何のために変わるのでしょう?
不思議です。

飛んでいる姿も美しいダイサギ

 

ホオジロ

境川遊水地にて撮影

遠かったので、ホオジロ
どの写真もピンボケです(-_-;)

 

スズメ目ホオジロ科の留鳥または漂鳥。

全長17㎝くらい。

カップルでいました。

オスの方が黒い部分が多いので、
上の写真では前がメスで、
後ろがオスだと思います。

 

後先になりながら、
ずっと一緒に歩いていました。

何かをくわえているオス

草の茂みへと入っていってしまいました

ヤナギのてっぺんでさえずっていた
ホオジロさんもいました。

繁殖期のオスのさえずり

聞きなしでは
「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょう
つかまつりそうろう)」とか
「札幌ラーメン味噌ラーメン」
と鳴いているといわれるのが有名です。

 

カワセミ(翡翠)

境川遊水地にて撮影

ブッポウソウカワセミ科の
留鳥または漂鳥。

カワセミの縄張りって、
どのくらいの範囲なのでしょうか?

境川遊水地には数羽のカワセミ
住んでいるようです。

 

***

 

4月の野鳥観察会で
境川遊水地で卵を抱いていた
コチドリさん。

2024年4月29日
境川遊水地で抱卵するコチドリ

卵が孵ることを祈っていましたが・・・

カラスに卵を食べられてしまった
とのことでした。

残念です。
自然は厳しいです(-_-;)

 

5月もたくさんの生き物たちと出会えた
楽しい観察会でした。

 

すべてに感謝☆

 

参考文献