コマツナギとキダチコマツナギ(トウコマツナギ)

2024年5月30日 天王森泉公園
野の花苑にて撮影したコマツナギ

 

野の花苑でコマツナギの花が、
くわくわ森でキダチコマツナギ
咲き始めました。

 

コマツナギは在来種です。

一方、
キダチコマツナギ(トウコマツナギ)は
中国原産です。

 

 

コマツナギ基本情報

●和名:コマツナギ(駒繋ぎ)

●科名・属名:マメ科コマツナギ属の落葉低木。

●分布:本州、四国、九州。朝鮮(済州島)、中国。

●花期:7~9月

●高さ:40~80㎝

●特徴:

・野原や河原、土手、道端、海岸など、日当たりのよい乾いた場所に生える草本状の小低木。

・葉は奇数羽状複葉、小葉は7~13枚あり、長楕円形で長さ8~15mm。

・花は葉のわきに長さ4~10㎝の総状花序を出し、淡紅紫色の花をやや密につける。
 花は長さ4~5mm。

・豆果は黒く熟す。

(夏の山野草ポケット図鑑より)

 

キダチコマツナギ基本情報

2024年5月30日 
くわくわ森にて撮影したキダチコマツナギ

 

●和名:キダチコマツナギ(木立駒繋ぎ)
●別名:トウコマツナギ(唐駒繋ぎ)

●原産国:中国

●科名・属名:マメ科コマツナギ属の落葉低木。
 日本在来種のコマツナギとほとんど変わらない。

●花期:5~9月

●高さ:40~250㎝

(松江の花図鑑より)

 

キダチコマツナギは、
法面緑化のために中国から輸入された
そうです。

根張りがいいので、
法面の土砂が崩れないように
キダチコマツナギを植えて
安定させていたそうです。

 

帰化&外来植物見分け方マニュアルによると、

キダチコマツナギ外来種ということで、近年、法面からの駆除に動く向きがある。

在来の常緑広葉樹(ネズミモチなど)を混植すると次第に弱まり、衰退を早めることができるという。

と書かれていました。

 

コマツナギとキダチコマツナギの違い

見た目にはほとんど違いが分からない
というコマツナギとキダチコマツナギ

違うところを探してみました。

 

花期がキダチコマツナギの方が長い

・キダチコマツナギ5~9月

コマツナギ7~9月

 

ですが・・・

天王森泉公園では5月30日に
コマツナギもキダチコマツナギ
同じくらい咲いていました。

 

茎の基部の太さの違い

・キダチコマツナギ3~4cm

コマツナギ1cm以下

 

帰化&外来植物見分け方マニュアルによると、

見た目の特徴がほとんど一緒で、もはや根元の茎の太さで識別するほかない。

と書かれていました。

 

高さが違う

・キダチコマツナギは高さが40~250㎝

コマツナギは高さが40~80㎝

 

高さが80~250㎝くらいあれば
キダチコマツナギだと分かりますが、
それよりも小さいとどちらか分かりません。

 

***

 

この3つの違いから、やはり
根元の茎の太さで見分けるしかないようです。

 

天王森泉公園のコマツナギ
キダチコマツナギは全然似ていない
感じがします。

 

コマツナギは草のようで繊細に見えます。

花も花序が短くて、
コロンとした印象です。

これから花序が伸びてくるのかしら?

コマツナギの花

 

一方、キダチコマツナギは、
木という感じで、
花序が長くてシュッとした印象です。

キダチコマツナギの花

 

私のイメージでは、
コマツナギはクズの花のようで、
キダチコマツナギはハギの花のよう。

 

私は天王森泉公園で初めて
コマツナギとキダチコマツナギ
知りました。

他では見たことがないので、
他の場所でも見つけて
違いを見てみたいと思います。

 

コマツナギ和名の意味

いちおう樹木の仲間ではあるのだけれど、草むらにあると“草”にしか見えぬほどコンパクト。

線は細いがそこそこ頑丈であるため、馬を繋いでおけるということで“駒繋ぎ”といった洒脱な名前をもらった。

土木の世界ではコマツナギも法面緑化で活躍する。

根張りがよく、手間もかからず、葉姿や花の愛らしさもひとしお。

(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)

 

細くて外見からはそう見えないのに、
根張りがよくて馬を繋いでも
びくともしなかったので驚いて、
「駒を繋げるよ!」と教える意味で
コマツナギになったのかな?
と思いました。

 

コマツナギを食草とする蝶

コマツナギを食草とする蝶たちがいる
ことを知りました。

 

キタキチョウ

シロチョウ科の蝶です。

マメ科のハギの仲間を
主な食草としています。

 

モンキチョウ

シロチョウ科の蝶です。

コマツナギのほか、
マメ科アカツメクサシロツメクサ
ミヤコグサ、などを食草としています。

 

ツバメシジミ

ツバメシジミの翅の表

ツバメシジミの翅の裏

シジミチョウ科の蝶です。

コマツナギのほか、
マメ科シロツメクサアカツメクサ
メドハギ、ミヤギノハギなどを
食草としています。

 

ミスジ

タテハチョウ科の蝶です。

コマツナギのほかに、クズ、ナンテンハギ、
ツルフジバカマ、ダイズ、ササゲ、
フジマメ、シロツメクサケヤキ
クサネム、サイカチなどを食草としています。

 

***

 

 

どちらもかわいらしいお花です。

どこがどう違うのか?

違いを見にいらしてください。

 

すべてに感謝☆

 

天王森泉公園のホームページはこちら。

www.tennoumori.net

 

参考文献