絶滅危惧種ヤマトアシナガバチが巣作りしています

2024年5月24日 
天王森泉公園にて撮影

 

天王森泉公園では、5月24日
絶滅危惧種のヤマトアシナガバチ
巣作りしているのが発見されました。

 

危険だからと嫌われるハチたち。

 

昨年の春、わが家でも
アシナガバチが巣をつくりました。

 

そのとき、私の中で
『ハチ=危険』と思いこんでいたことに
気づきました。

 

ヤマトアシナガバチのご紹介と
昨年の私の気づきについて
書きたいと思います。

 

 

ヤマトアシナガバチ基本情報

●和名:ヤマトアシナガバチ(大和脚長蜂)

●科名:スズメバチ

●大きさ:18~23mm

●分布:本州、四国、九州

●出現期:5~10月

 

・成虫は、花の蜜や樹液、幼虫からの栄養液などを食べます。

・幼虫は、成虫が取ってきた他の昆虫を食べます。

(ムシミルより)

 

天王森泉公園では、
多くの人が訪れる公園
という場ではありますが、

生物多様性を大切にしている公園なので、
注意をうながす表示をつけて
見守ることにしました。

 

 

ここからは、昨年
わが家の庭に巣をつくった
アシナガバチから気づかせてもらった
ことを書きたいと思います。

 

アシナガバチ=危険だから駆除」と思いこんでいた

 

わが家ではネコを飼っています。

名前をエム言います。

 

昨年の今頃、エムと庭に出ていると、
いつもアシナガバチに出会いました。

 

その度に、エムは目をまん丸くして
ハチを捕えようと追いかけます。

 

本能ですね~
仕方ないです。

 

「ハチさんは狙わないで~」と
エムに言いながら、
アシナガバチ・・・怖いな~と
思っていました。

 

エムがハチを追いかけようと
するのを止めて、
家の中に連れ帰る毎日でした。

 

 

アシナガバチは、
いつもツツジの木の辺りに向かいます。

 

もしかしたら、ツツジの木に
巣をつくっているのではないか?

 

そう思ってのぞいてみると・・・

 

ありました!

 

直径5センチくらいの巣に
アシナガバチさんが一匹。

 

わ~~~どうしよう(-_-;)

 

 

私は、秋になると盛んに報道される
ハチの恐ろしさを思い出していました。

 

そのたぐいの報道では、
ハチの恐ろしさを伝えるとともに、
たいてい駆除業者が出てきて
巣を駆除します。

 

私は巣を駆除しないと
危ないな・・・と思いました。

 

私たち人間もエムも
刺されたら大変!と思って、
両親にその話をしてみました。

 

 

その時、父が話してくれた内容に
ハッとさせられました!

 

「あしながバチがいるっていうことは、
青虫がいるっていうことだな。

あしながバチは、青虫を捕えて、
青虫団子にするんだよ。

見たことあるよ!」

 

そう父が話してくれました。

 

 

え?本当?とウィキペディア
調べてみました。

 

同じスズメバチ科だけあり、アシナガバチの生態はスズメバチに似ている。

幼虫の餌も、他の昆虫の肉を与えることなど共通点が多い。

細身で小型の体型は攻撃力で劣る。

チョウやガの幼虫の芋虫、つまりケムシやアオムシの類を狩る。

捕らえた芋虫をかみ砕いて肉団子にして巣に持ち帰る

(ウィキペディアより)

 

父の話どおりのことが書かれていました。

 

さらに、

アシナガバチはおとなしい性格で、巣にいたずらをしなければまず刺してこない。

むしろ蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる益虫である

特に、初夏の頃までにこのハチの巣があると、モンシロチョウの幼虫が増えないので、殺虫剤やネットを使用しないでキャベツ等の栽培・収穫ができる。

多少の食痕が残るが、無農薬なので、家庭用には最適である。

(ウィキペディアより)

 

とも書かれていました。

 

父の話を聞いて、
私はテレビの報道に洗脳されていたな・・・
と思いました。

 

 

私の中には完全に

アシナガバチ=危ない=駆除しなくては!

という思い込みの構図がありました

 

 

アシナガバチも命の循環の一部を担っている

 

それに気づくと私の中で、
思い込みの変換が起こりました

 

一気にアシナガバチに対する
見方が変わりました!

 

自分でもおもしろいな~と思いました。

 

 

そして、「命の循環」
という言葉が浮かびました。

 

 

私たちは人間の視点で
人間中心に物事を考えてしまうけれど、

本当は、すべての生き物たちが
お互いに影響を与えあって
バランスをとっています

 

人間が手を入れることで
そのバランスを崩してしまうことが
あります

 

 

アシナガバチ怖い!といって、
アシナガバチを駆除して、

 

青虫に大切な葉っぱを食べられて、
青虫を退治しないと!と
殺虫剤を播くとしたら、

 

こんなにバカげたことはありません!

 

 

物事には、必ず
メリットになる面もあれば
デメリットになる面もあります

 

アシナガバチがいるメリットは、
庭にある植物や
私が育てているベビーリーフにつく
芋虫たちを捕まえてくれること。

 

アシナガバチがいるデメリットは、
巣にいたずらしたり
ハチにちょっかいを出したら
刺されるかもしれないということ。

 

だとしたら、恐れすぎずに
リスク管理をしながら
アシナガバチが働らいてくれるのを
見守ろうと思いました。

 

庭のベビーリーフやバラにつく
青虫や毛虫を捕まえてくれる
メリットのほうがありがたいです。

 

それはもう、自然の恵み
アシナガバチさんの恩恵としか
思えないくらい!

 

 

数分前まで思っていた
アシナガバチへの恐れはどこへやら!

 

物事を知って
正当に恐れる

その大切さを改めて思い知りました。

 

 

両親とは、
しばらく様子を見て、
もし危険なようだったら
駆除を考えよう。
ということになりました。

 

それ以来、私は
アシナガバチさんを見かけると

 

「ご苦労様です!
ビーリーフの青虫さんを
捕まえてくださいね~」と
声をかけていました。

 

1ヶ月ほどでアシナガバチさんは
いなくなっていました。

 

どこかもっと広いところへ
引越ししたのかもしれません。

 

***

 

天王森泉公園にもたくさんの
青虫をはじめとする食べ物がある
ということだと思います。

 

ワサビ田のワサビを食い荒らす
虫たちも取ってくれるといいな!
と思いました。


これも人間のエゴですけどね・・・

 

 

アシナガバチスズメバチ
今の時期は、女王バチが
一匹で巣作りをしています。

 

この時期の
アシナガバチスズメバチ
攻撃性が低くて、
よほどのちょっかいを出さなければ
刺されることはないそうです。

 

最初に巣をつくるところは、
割と狭いところが多いようで、
今回巣をつくっているところも
割った竹と竹の間です。

 

巣で子どものアシナガバチ
たくさん育って手狭になったら、
もっと広いところへ引越しします。

 

広いところへ引越しして、
オスバチが増えたときは
攻撃性が上がるのだそうで、
一番危険な時期(秋)なのだそうです。

 

「お尻が黄色く膨らんでいたら
ちょっと気をつけた方がいいよ」
と教えていただきました。

 

みんながいい感じで
共存できるといいなと思います。

 

ヤマトアシナガバチのその後

せっせと巣の拡張と
働きバチを生むことに励んでいた
ヤマトアシナガバチ

 

6月7日はこのくらい大きな巣になっていました

 

ヤマトアシナガバチの特徴は、
巣の蓋のようなものが黄色いこと
なのだそうです(素人表現ですみません)

 

虫に詳しいIさんが
「そろそろ働きバチが出てくるので、
巣に近づけなくなりますね」と
おっしゃっていました。

Iさんと「最後の写真かな?」と
言いながら撮りました。

 

その数日後、
ヤマトアシナガバチの巣が欲しい
という方が現れました。

 

天王森泉公園の運営側でも、
そろそろ巣を撤去した方がいい!
という話になり、
巣をお譲りすることになりました。

 

6月26日、その方が来て
巣を持っていったそうです。

 

なんだか複雑な気分です。

ホッとしたような・・・
残念なような・・・

 

このヤマトアシナガバチさん、
どこか安全なところで元気に
寿命を全うしてくれるといいな
と思いました。

 

すべてに感謝☆

 

 

天王森泉公園のホームページはこちらです。

www.tennoumori.net