くわくわ森広場での挑戦!

先日、ヤフーニュースの中に、
婦人公論養老孟司氏に
インタビューした内容が載っていました。

僕が今、心配なことですか? それは虫の急激な減少です。

ドイツの自然保護区を対象にした調査によれば、この27年間で飛翔性昆虫の総量が76%も消えた。
もちろん農薬や殺虫剤の影響も考えられますが、人間がその営みのなかで環境を自分勝手にいじってきた結果ではないかと思います。
ある種の祟りといってもいいかもしれない。

虫が減ると、それを食べる動物が減り、このままでは地球は生き物が住めない世界になるんじゃないか。
じゃあ今、自分に何ができるだろうかといえばわからない。
寝る前にそんなことを考え始めると、1、2時間はあっという間に経ってしまいます。
眠れないときは、いっそ起きて原稿を書いたりする。

(Yahoo!ニュース、婦人公論.jpより)

ドイツで飛翔性昆虫の総量が
76%も減っているなんて!

きっと日本でも同じくらい減っている
のではないかと思いました。

自分に何ができるだろう?と
私も考えました。

 

そんなとき、
くわくわ森の広場をどうするか?
という話が持ち上がりました。

 

 

くわくわ森の広場

くわくわ森のヒノキ林の
木々が台風で倒れ、
となりに民家があることから
ヒノキを伐根しました。

その一角を
広場にすることになりました。

 

その広場には、蝶が育つように
柑橘系の木やウマノスズクサ
すでに植えられていました。

 

どんな広場にしようか?と
話し合いました。

 

その結果、

日本の在来種の雑草で
蝶の食草になるような草を
中心に植えた広場にしよう!
ということになりました。

最近の道端には外来種の植物が多いので、
子どもも大人も日本の在来種の雑草を
知らないのではないか?と思います。

 

しかも、蝶や昆虫たちの
食べ物になるような植物だったら
生き物たちにとっていいな~!
と思いました。

 

その広場は、チヨウ道エリアとして
蝶や昆虫たちの食草を植えた広場に
することになりました。

それも人間のエゴで、
自然をいじっていることに
なるのかもしれません。

それでも、虫や蝶たちに
少しでも住みやすい環境を
つくることができたらいいな!
と思います。

 

何を移植するか?

目指すは、虫たちが好む
在来種の自然な雑草広場。

 

ボランティアの先輩YGさんが、
図鑑を貸してくださいました。

その図鑑で、
蝶の食草を調べました。

 

蝶の食草

いろいろな蝶たちの食草を
調べました。

森の一角の広場ですし、
あまり遠くから植物を
移植するのではなく、
天王森泉公園内にある植物で
蝶の食草を移植することにしました。

ギシギシ・スイバ⇒ ベニシジミ

ギシギシは他の虫たちにも
大人気の草です。

見晴らしの丘から移植しました。

スイバの花

 

タチツボスミレ⇒ ヒョウモンチョウ

ツマグロヒョウモン

タテハチョウ科の蝶で
○○ヒョウモンという名前の蝶たちは、
スミレ類を食草にしています。

YGさんが森の一角で
タチツボスミレを育てていました。

それを移植しました。

 

カタバミ⇒ ヤマトシジミ

見晴らしの丘から移植しました。

 

イヌガラシ⇒ モンシロチョウ・スジグロシロチョウ

野の花苑から移植しました。

 

ミツバツチグリ⇒ チャマダラセセリ

絶滅危惧種の蝶です。

 

蝶々というと、
モンシロチョウのイメージが強くて、
キャベツなどの野菜を食べるイメージです。

あるいは、アゲハチョウの仲間が
柑橘類の葉を食べるイメージが強いのでは
ないでしょうか?

 

でも、野菜を食べる蝶は少なくて・・・

意外に多くてびっくりしたのは、
木の葉を食べる蝶々が多いことです。

くわくわの森にある木々も
蝶たちの食樹になっているのだと
改めて知りました。

 

そして、
森に生えてきて困ると言われる
アズマネザサを食草とする蝶たちが
いることも知りました。

・○○ヒカゲという名前の蝶
・コチャバネセセリ
・ホソバセセリ
・オオチャバネセセリ
などがアズマネザサを食草としています。

アズマネザサも残しておかなくちゃ!
と改めて思いました。

 

そして、秋になるとその実が
服にくっついて困るチヂミザサ
食草とする蝶がいることも知り、
衝撃を受けました。

・○○ジャノメという名前の蝶
・ヒメキマダラセセリ
キマダラセセリ
などが食草としています。

ヒメウラナミジャノメ

チヂミザサ・・・もっと食べて~!!!

 

もう一つ、
蝶のことを調べ始めて
これも蝶だったのか!と
衝撃を受けたことがあります。

それは、セセリチョウ

てっきり、蛾だと思っていました

翅が地味すぎて・・・(^_^;)

セセリチョウの仲間
ダイミョウセセリ

ダイミョウセセリは
まだ蝶だと思いますが・・・

チャバネセセリなどは、
蛾だと思っていました。

新しいことを知るのは楽しいですね!

 

その他の在来種の植物

今ホタルブクロがきれいです!

 

虫たちが食べるかは分かりませんが、
その他にも在来種の植物を
植えました。

 

など。

昆虫に詳しい方に
「ここには花が少ないよね!」
と言われたので、
花が咲く在来種を中心に植えています。

 

虫たちのレストラン準備中!

まだ、移植して
やっと根づいたばかりの植物たち。

ここが虫たちの素敵なレストランに
なるといいな~と祈っています☆

 

虫に詳しい方には
「まあ、人間の思うようには
なかなかいかないですけどね・・・」
と言われました(^-^;

そうかもしれません。

広場につづく道の草刈りをする
スタッフのOさん

とにかく、
やってみないことには始まりません!

様子を見ながら、
虫たちに人気のレストランを
つくっていきたいと思います。

 

虫たちに大人気!ギシギシの葉

こんな葉っぱを見かけたら、
「虫たちに大人気のメニューなのね!」
と思っていただけると嬉しいです(^^♪

 

くわくわ森広場での挑戦は
3月に始まったばかりです。

また経過報告したいと思います。

 

天王森泉公園のホームページはこちらです。

www.tennoumori.net

 

チャマダラセセリについては、
こちらのサイトに詳しく書いてありました。

愛媛総合科学博物館研究ノート