今年はたくさんのエビネを楽しみました!



かつて、くわくわ森は
エビネがたくさん咲く
森だったそうです。

 

その後、盗掘にあい
激減してしまいました。

3株ほどしか
残っていなかったそうです。

 

今は、横浜市の天王森泉公園となり
大切に保護されています。

今年はエビネが増えてくれて
たくさん楽しめました。

 

 

エビネ基本情報

●和名:エビネ(海老根)

●学名:Calanthe discolor

●科名・属名:ラン科エビネ

●分布:国内では北海道西南部、本州、四国、九州、沖縄。国外では朝鮮。

●花期:4~5月(白色または淡紫色)

●草丈:30~40㎝

●特徴:

・山林や竹やぶなどに生える多年草

・よく栽培もされ、園芸品種も多い。

・地下茎は節があって球状となり、連珠状になって横に這っている。

・和名は、地下茎の様子をエビの尾に見立てたもの。

・葉は根元に2~3枚つき、倒披針状長楕円形で、冬にも残る。

(春の山野草ポケット図鑑より)

 

絶滅危惧種に指定されているエビネ



エビネ環境省レッドデータブック
絶滅危惧種に指定されています。

その原因は、

園芸用の採集、森林の伐採、土地造成であると推定されている。

(ウィキペディアより)

 

原因とされるのは、
残念ながら
人間の行いによるものです。

 

キンランが絶滅危惧種
なってしまった原因と似ています。

キンランの記事と
重複する部分もありますが、
エビネが準絶滅危惧種になってしまった
原因についてみていきたいと思います。

園芸用の採取(盗掘)

1980~1990年代。
野生ランブームにのって、
一部の心無い山野草愛好家や業者によって
野生のランが乱獲されたそうです。

 

山野草は園芸種と違って、
楚々とした素朴な味わいがあります。

 

華やかではないかもしれないけれど、
山や森などの自然を感じさせる趣が
あります。

 

「自分の家の庭に植えて
山や森を感じたい」
という気持ちは分かりますが・・・

 

自然を感じたいのであれば、
山や森に行って
その時咲いている山野草との出会いを
楽しむのが一番だと思います。

 

 

山野草を購入する時は、
その山野草の出所や
どういう経緯でそこで売られているのかを
知ることも大切だと思います。

 

よく知らずに、
「きれいだから」
「珍しいから」
「気に入ったから」と
気軽に購入してしまうことで、
その野生の山野草を絶滅させることに
加担してしまうかもしれません

 

そもそも山や森に自生する山野草
庭に適応できないことも多いと思います。

 

やはり山野草に会いたければ、
山や森に会いに行くのが一番だと思います。

 

その時期、その場所でしか出会えない、
素敵な出会いが待っていると
思います(*^-^*)

 

(くわくわ森のキンランが咲き始めましたより)

 

ウィキペディアによると、
1970年代から1980年代に
エビネ栽培の人気が爆発的に
高まったそうです。

くわくわ森でも乱獲されたのは、
その頃かもしれません。

 

現在は・・・

野生種保護において盗掘は大きな問題ではあるが、近年は選別交配種が営利生産され一般花卉と大差の無い価格で容易に入手できるため、相対的に原種エビネの園芸需要は減少している。

採集によってほぼ絶滅状態であった自生地で個体数の回復が確認されたという報告も散見されるようになっている。

(ウィキペディアより)

 

くわくわ森のエビネ
増えてきています。

 

やはり、エビネは山野に咲いてこそ!

野の花苑でもエビネ
育てているのですが、
圧倒的にくわくわ森のエビネの方が
元気で華やかです。

だからといって、
くわくわ森のエビネを他に移したら、
森で育っている時のような元気は
なくなってしまうのではないか
と思います。

やはり、山野で育つエビネ
格別なのです!!!

 

森林の伐採・土地造成

ここでいう森林の伐採は、
土地造成とつながっている
のではないかと思います。

1970年代から1980年代
宅地造成やリゾート開発が進んだ
と聞きます。

そのために、森林や雑木林が
伐採されていったと思われます。

 

横浜市でもたくさんの森や雑木林が
消えていきました。

その後には、
所狭しと家が建っているか、
商業施設や工場などの
大きな建物が建っています。

その当時は、
家が建てば売れる!という時代
だったそうです。

それとともに
雑木林の中のエビネ
消えてしまったと思われます。

 

現在はどうか?というと、

雑木林の伐採は
違う意味で?続いています。

 

横浜市では、
森や雑木林を残すために
森や雑木林のある土地を借り上げて
管理する政策をとっています。

そのおかげで
森や雑木林が点在する環境を
かろうじて残せていますが・・・

 

農家さんの昔ながらの大きな敷地が、
代替わりとともに消えていって
います。

 

昔ながらの農家の敷地には、
雑木林があったり
竹林があります。

そのような環境は
一度壊してしまったら、
また取り戻すことは難しいと思います。

つくり上げることができたとしても、
長い年月がかかると思います。

そのような環境を
残していってほしいと思います。

エビネとともに・・・

 

***

 

ここからは、
くわくわ森のエビネ
ご紹介します!

 

エビネの葉と種

2024年3月13日

冬でも去年の葉は残ります。

葉がエビネの場所を教えてくれます。

まだ新芽は見当たりません。

去年の種の跡

この種の殻の中には
たくさんの細い繊維のような
ふわふわな糸のような種ができるのだそうです。

そして、種の殻に小さな隙間ができ、
風が吹くとそこから綿毛が
飛んでいくのだそうです。

 

エビネの新芽

2024年3月24日エビネの新芽

2024年4月6日

去年の葉は残ったまま、
新しい芽が出てきました。

 

キンランの調査と一緒に
エビネの調査もしました!

一つ一つ出てきた芽を数えました。

 

ワクワク期待が膨らみます。

 

エビネのつぼみ

2024年4月11日

芽が出てから1週間もたたないうちに
花芽が出てつぼみがつきました。

葉っぱが出る前に花芽が伸びています。

大きな葉っぱは、
去年の葉です。

花芽の根元に小さな葉が見えます。

 

エビネの花

2024年4月18日

つぼみから1週間ほどで
花が咲き始めました。

 

今年は今まで確認されて
いなかったところにも
咲いていました。

嬉しいです♬

 

2024年4月20日

場所によっては4月20日
もう花盛りのところもありました。

 

2024年4月25日

 

私はこんなにたくさんの
エビネが咲いているのを
初めて見たので、
感激してしまいました(*^-^*)

 

たくさん出ているところは、
芽が30本も出ていました!

 

咲いている場所によって
花の色が違い、
それぞれの場所で個性が
あるような気がします。

 

くわくわ森をずっと保全してきている
YGさんによると、
明るいところに咲くエビネは白っぽくて、
暗いところに咲くエビネはピンクっぽい
と言っていました。

 

どのエビネも美しくて
春を謳歌している
感じがしました。

 

かつては、
畳3畳ほど広がっていたところも
あったというくわくわ森のエビネ

 

「かつてと同じくらいの
大群生に育てたいね!」

森を保全してきた先輩と
そんな夢を語り合いました(^^♪

 

こうやってきれいに咲いた花を
愛でることができるのが、
私たちボランティアのごほうびです☆

2024年5月21日現在、
エビネの花は終わってしまいました。

これからは、
種ができるのを見守りたいと
思います。

 

エビネさん!
今年もありがとう(^^♪

 

すべてに感謝☆

 

天王森泉公園のホームページはこちら

www.tennoumori.net

 

参考文献