くわくわ森のキンランが咲き始めました!

2024年4月18日 
天王森泉公園のくわくわ森にて撮影

3月からキンランが出てくる辺りの
笹刈りをして、
お日様の光がたっぷり当たるように
準備してきました。

4月に入り、
キンランの芽が伸びてきて・・・

花開く日を待ちわびていました(*^-^*)

今日、くわくわ森の植物調査に
行ってみると、
たくさんのキンランたちが
咲き始めていました(^^♪

 

 

3月キンランの芽がたくさん出ますように!

3月7日のキンラン自生地

キンランが出るところには、
黄色でマークした棒を立てています。

2024年3月7日。

まだキンランの影も形もありませんが、
黄色のマークがついた棒の周りに
生えている笹を刈りました。

笹を刈る前の写真も
撮っておけば良かったな~と後から反省。

キンランにたっぷりと
明るいお日様の光が届くように。

そしてキンランが咲いた時に、
森を訪れるお客様にキンランを
見て楽しんでいただけるように。

ワクワクしながら笹刈りをしました。

 

キンランの芽が出てきました!

4月6日。

植物調査に出かけると、
キンランの芽が出始めていました。

キンランの芽が生えいる
周りの落ち葉をどけて
お日様の光が当たるようにしました。

ヤブランの芽と似ているのですが、
先輩方に教えていただきながら
見ているうちに見分けが
つくようになりました。

 

4月11日のキンランの芽。

だいぶ大きくなりました!

このくらいのキンランの芽が
多かったのですが、
成長の早い株は
もうつぼみをつけ始めていました。

 

キンランのつぼみ発見!

4月12日。

成長が早いキンランは、
もうつぼみをつけ始めていました。

4月13日。

つぼみが大きくなってきました。

黄色い部分も増えて、いつ咲くか?
楽しみです(^^♪

 

本当は毎日でもくわくわ森に出かけて、
キンランの成長を見守りたかったのですが・・・

所用で4月14日~17日は、
森に行くことができませんでした(^_^;)

 

ついに咲いたよ!キンランの花

4月18日。

くわくわ森の植物調査に行ってみると、
たくさんのキンランが
咲き始めていました(^^♪

私は初めてキンランの花を見ます。

キンランの花が見たくて、
森に関わりたいと思い、
森の手入れを教わってきました。

ついに!その夢が叶いました(*^-^*)

今まで大切にキンランを守ってきてくださった
先輩方に感謝です!

すらりと伸びた茎の先に、
明るい黄色の花をたわわにつけたキンラン。

森が一気に明るく輝くようです。

笹刈りをしたところは、
なんと!
43本ものキンランが確認できました。

これからどんどん花を咲かせてくれて、
森がもっと華やかになるのが楽しみです(^^♪

 

キンランの基本情報

  • 和名:キンラン(金蘭)
  • 学名:Cephalanthera falcata
  • 科名・属名:ラン科キンラン属の多年草
  • 分布:北海道を除く日本各地。中国、朝鮮半島
  • 花期:4月~6月(1㎝ほどの黄色い花)
  • 草丈:30~70㎝
  • 特徴:
    ・自生ランの一種で、山や丘陵の林の中に生える地上性のラン。
    花は全開せず、半開き状態のままである。
    ・花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。
    ・葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。
    ・柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。

 

絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているキンラン

元々、日本ではありふれた和ランの一種であったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト)として掲載された。また、各地の都府県のレッドデータブックでも指定されている。

 

元々、人が森と共生していた時代。

里山が人間にとって恵みを
もたらしてくれるものと
認識されていた頃は、
人間が森の手入れをして、
森からたくさんの恵みをもらっていました。

その頃は、キンランは春になると
普通に見られる自生のランでした

横浜市にもそんな里山の森がたくさんあり、
「キンランやギンランやホウチャクソウ
たくさん咲いていたよ」という話を
母のお友達から聞いていました。

その話を聞き、見てみたい!と
ずっと思っていました。

ウィキペディアでは、
1990年代ごろから数を減らし・・・と
書かれていますが、
多分横浜市ではもっと前から
数を減らしていたと思います。

その原因は、

  • 雑木林の放置
  • 宅地などの土地開発
  • 野生ランブームによる乱獲

と言われています。

日本に自生するラン科植物の
70%以上が環境省から絶滅危惧種の指定を
受けているのが現状だそうです。

 

雑木林の放置

雑木林が放置されると、
木がどんどん大きくなり
(森の遷移が進む)
暗い森になっていきます

そして、横浜市の森では
アズマネザサという笹が繁茂します。

そのような暗い森では
地面に光が届かず、
落ち葉が積もりっぱなしで、
キンランの芽が出てくることができません。

キンランは、クヌギやコナラと
共生していると言われます。

コナラの葉と花

昔の里山ではクヌギやコナラを
薪(まき)として使うために育てていました。

そのため、20年ほどで
クヌギやコナラの木を伐り、
切った切り株から出てくる芽を
また育てて大きな木にしていました。

笹も定期的に刈られていましたし、
冬には落ち葉掻きをしていたので
落ち葉が積もり過ぎるということも
ありませんでした。

そんな森は明るくて、
キンランやギンランが育つのに
最高の環境でした

今放置されている雑木林も、
手を入れて明るい森になれば、
キンランやギンランが出てくるかも
しれません。

 

宅地などの土地開発

開発が原因で絶滅危惧種
指定されている植物はたくさんあります。

昔は普通に見られていた植物たちの上に
家が建ってしまったり、
コンクリートアスファルト
覆われてしまって、
出てこれなくなり絶えてしまった
植物がたくさんあるのです。

今は、自然の中の植物が
絶滅の危機を迎えているのではなく、
都市化された場所に生えていた植物たちが
絶滅の危機に瀕していると言われています。

植物たちが自然の成り行きで
耐えていったのではなく、
人間が便利すぎる生活を
追い求めていった結果、
植物たちの生息域を
奪ってしまっているのです。

もう今までの意味での開発は
十分なのではないでしょうか?

これからは、
里山を再生していくための開発
加速したら嬉しいです。

 

野生ランブームによる乱獲

1980~1990年代。
野生ランブームにのって、
一部の心無い山野草愛好家や業者によって
野生のランが乱獲されたそうです。

山野草は園芸種と違って、
楚々とした素朴な味わいがあります。

華やかではないかもしれないけれど、
山や森などの自然を感じさせる趣が
あります。

「自分の家の庭に植えて山や森を感じたい」
という気持ちは分かりますが・・・

自然を感じたいのであれば、
山や森に行って
その時咲いている山野草との出会いを
楽しむのが一番だと思います。

山野草を購入する時は、
その山野草の出所や
どういう経緯でそこで売られているのかを
知ることも大切だと思います。

よく知らずに、
「きれいだから」
「珍しいから」
「気に入ったから」と
気軽に購入してしまうことで、
その野生の山野草を絶滅させることに
加担してしまうかもしれません

そもそも山や森に自生する山野草
庭に適応できないことも多いと思います。

やはり山野草に会いたければ、
山や森に会いに行くのが一番だと思います。

その時期、その場所でしか出会えない、
素敵な出会いが待っていると思います(*^-^*)

 

野生ランブームでキンランも乱獲されて、
数を減らしたと聞きます。

キンランは人工栽培がとても難しい
ランなのです。

なぜなら、キンランはクヌギやコナラと
共生しているからです。

クヌギやコナラがないと
生きていくことができません。

くわくわ森では、
こんな看板を立てています。

これからたくさんのキンランが
花開いていきます。

キンランとの出会いを楽しみつつ、
あたたかく見守ってください。

私達ボランティアも
キンランが育つ森を大切に
手入れしていきたいと思っています。

 

森の恵みに感謝(^^♪

 

天王森泉公園のホームページはこちらです。

www.tennoumori.net

 

参考資料:ウィキペディア