毎月第一火曜日に開催されている
天王森泉公園の生き物観察会。
私も毎回ボランティアとして
参加しています。
野の花苑
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弁天坂から見晴らしの丘
whispering-of-trees.hatenablog.jp
このつづきで、くわくわ森で
見られた生き物たちをご紹介します。
植物
ソシンロウバイ(素心蝋梅)のつぼみ

小高木。
中国原産で、日本に渡来したのは明治時代。
花期は、11月下旬~2月で、
スイセンに似たとてもいい香りがします。

くわくわ森にて撮影
原種のロウバイは花の中央部が暗い紫色になるが、本種は中央部も含めて花全体が黄色くなる特徴を持つ。
「ソシン」は「素心」あるいは「素芯」で、園芸の世界では花弁が芯まで同じ色であることを表す(素心蘭など)。
「ロウバイ」の語源には諸説あるが、繊細な花弁の様を蝋細工のウメに見立てたという説が根強い。
臘月(旧暦の12月)に咲くウメのような花を語源とする説もあるがロウバイはロウバイ科であり、バラ科のウメとは関係がない。
花の少ない季節に
華やかな黄色がきれいですし、
とてもいい香りで癒されます(*^-^*)
花が咲くのが楽しみです!
ガマズミ(鎌酸実)の実

10月の生き物観察会のときは
実が色づき始めていました。
11月になりすっかり赤くなりました。
美味しそうな実です。
ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木。
山地や丘陵地の明るい林や草原に生える。
生き物マスターのYTさんによると、
ガマズミの実をお酒につけると
赤くてきれいなガマズミ酒に
なるそうです。
くわくわ森では、
鳥たちが食べた種で増えて
そこら中にガマズミが生えています。
春は白い花で、秋は赤い実で、
森の中が華やかになります。
ノダケ(野竹)の花と実

セリ科シシウド属の多年草。
茎の高さは80~150cmにもなります。
細かい暗紫色(まれに白色)の
小花を多数つけます。
花期は、9~11月。
10月の生き物観察会の時も咲いていました。

こちらは白が目立ちます。
まれな白い花でしょうか?
それともミックス?
早く花をつけたところには
実がなり始めていました。

ヤブニッケイ(藪肉桂)の実

6月にはかわいらしい白い花が
咲いていました。
→ ヤブニッケイの花
アボカドもクスノキ科の植物で、
ヤブニッケイの実は
アボカドを小さくしたような実です。
葉っぱはシナモンの香りでいい香りです!
同じクスノキ科のシロダモはどうでしょう?
シロダモ(白だも)の実

クスノキ科シロダモ属の常緑高木。
シロダモの実は果肉が多くて
鳥が好きなのだそうです。

確かに、くわくわ森にはたくさんの
シロダモの木が実生で生えてきています。
シロダモの花期は秋から晩秋(10 - 11月ごろ)。
雌雄異株。
花は散形花序で、葉腋に黄褐色の小花を多数つける。
果期は翌年の秋(10 - 11月ごろ)、果実が赤色に熟すので、花と同時に鑑賞できる。
果実は楕円状球形で、長さ12 - 15mm 。
実がなるのに1年かかるのですね。
花と実が同時に見られると
書かれていますが・・・
花には気づきませんでした。
先月はシロダモの幼木にたくさんの
アオスジアゲハの幼虫がいました。
シロダモの葉にできる虫こぶ、
シロダモハコブフシも観察できました。
2月にも見られたので、
その時の記事をリンクします。
→ シロダモの虫こぶ
同じクスノキ科のヤマコウバシの実は
どうでしょう?
ヤマコウバシ(山香ばし)の実

クスノキ科クロモジ属の落葉低木。

果肉は少ないので、
鳥には不人気なようです。
森の中にもヤマコウバシの木は少ないです。
***

上:ヤブニッケイの実
下:ヤマコウバシの実
いろんな実を比べてみるのもおもしろいです。
ヒメユズリハ(姫譲葉)

海岸付近に多く、トベラやウバメガシと共に海岸林の重要な構成樹種である。
暖地の海岸近くの照葉樹林内に生える。
和名は、ユズリハよりも葉が小さいことに由来する。
雌雄異株で、花期は5月頃。
11月頃に果実は黒紫色に熟する。
(ウィキペディアより)
この辺りは水が湧くので、
海岸近くや水辺に多い木も生えています。
私はユズリハが生えていたことに
気づいていませんでした。
花は5月、実は11月とのことですが、
実は見られません。
この木は雄株なのでしょうか?
花や実がないと地味すぎて
気づきませんね(^_^;)
今回、参加者の方の
「この木は何の木だっけ?」
という問いかけで初めて知りました。
カマツカ(鎌柄)の実

木材を鎌の柄にしたことから
カマツカの名前がついたそうです。
4月には白い花を咲かせていました。

くわくわ森にて撮影
去年もう少し熟した頃合いで
実を食べてみました。
甘酸っぱいリンゴのような味で、
おいしかった記憶があります。
今年ももう少し熟したら
食べてみたいと思います。
ムラサキシキブ(紫式部)の実

シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。
たくさんの実がついてきれいでした。
これだけいっぱいの実がついていると見事です!
径3~4mmと小粒な実は、小柄なメジロの口にもたやすく入る。
紫色の果皮の内側には、白くてかすかに甘い柔らかな果肉と、最大4個の小さなタネ。
小柄な鳥の繊細な消化管に合わせているようだ。
(実と種ハンドブックより)
カラスウリ(烏瓜)の実
カラスウリがなっているところが
2か所あります。
そのうちの一つは、
観察会の前日に木を切り
下草を刈ったところです。
木が茂りすぎて見えなくなっていたカラスウリが
見えるようになり、すっきりしました!

森の保全をしていて、
このような瞬間はご褒美のような
うれしい瞬間です(*^-^*)
ツルものは、木に這い上がって
日が当たらないと花が咲かず
実もなりません。

もう1か所のカラスウリ。
カラスウリの名前の由来は、
近年では葉が大きく生育が早いため「他の植物に絡みついて枯らす瓜からカラスウリ」となった説が有力です。
(検索より)
くわくわ森では、カラスウリより
木々の勢力の方が強くて、
カラスウリの葉はあっても
実はならないものが多いかもしれません。
ヘクソカズラ(屁糞葛)の実

弁天坂でも見られたヘクソカズラの実。
森でもきれいな実に出会えました。
アケビ(木通)の実

アケビの名の由来は、秋に楕円形の果実がつき、熟すと縦に割れて白くて甘い果肉と黒い種子を覗かせる様子から、「
開 け実 」の意味で名付けられたものである。(ウィキペディアより)
アケビの実が見つかった場所も、
観察会の前日に木を切り
下草を刈ったところです。
くわくわ森でアケビが実ったのは
初めてだそうです!
アカネ(茜)の花・実・根

アカネ科アカネ属のつる性多年草。
8~9月に淡黄緑色の小さな花をつける
とのことですが、11月の今も
ぽつぽつと咲き続けています。
かわいらしいお花です。
早く咲いたところには実がなっていました。

熟している途中のようです。

根が茜色をしており、
草木染の染色の原料になります。
和名アカネの由来は、根を乾燥すると赤黄色から橙色となり、赤い根であることからアカネと名づけられたといわれる。
ヒサカキ(姫榊)の実

モッコク科ヒサカキ属の常緑小高木。
山地や丘陵地に生え、目立たないが非常に数が多く照葉樹林ではどこの森にも生えている。
低木層にでるが、直射光にも強く、伐採時などにもよく残る。
また、栽培されていることも多い。
雌雄異株。
これから冬にかけて黒紫色に
熟していくそうです。
ヤツデ(八手)の花芽

ウコギ科ヤツデ属の常緑低木。
花期は10~12月ころ、
白い花をつけ、その後黒い実をつけます。
葉が大型で、大きく掌状に裂けた独特の形をしているのでよく目立ち、見分けやすい。
晩秋に丸くまとまって咲く白い花は、昆虫に蜜を供給して受粉する虫媒花である。
林内の日当たりの悪いところによく自生しているが、庭木としてもよく植えられる。
葉はサポニンを含み、去痰など薬効のある生薬にもなる。
マユミ(真弓)の実


日本と中国の野山に自生する。
開花時期は晩春から初夏(5 - 6月)。
雌雄異株。
花色は薄い緑色で目立たず、新しい梢の根本近くに4弁の小花がいくつもつく。
果期は秋で、雌株には夏に果実が枝にぶら下がるようにしてつき、小さく角ばった4裂の姿で、秋に熟すとふつう淡紅色に色づく。
淡紅色の果実は熟すと4つに裂けて、中から赤い種子が現れる。
果実は有毒であるが、春の新芽は山菜として利用される。
和名「マユミ」の由来は、昔この木から弓が作られたことに因む。
くわくわ森は昔は農家さんが所有していた
斜面地の森です。
斜面の上の方のマユミは
まだ熟していませんでしたが、
下の方のマユミはすっかり熟して
赤い実が現れていました。
アキノノゲシ(秋の野罌粟)

キク科アキノノゲシ属の1~2年草。
日当たりのよい荒れ地や草地に
生えるそうで、
南広場に咲いていました。
高さ60~120cmになります。
雑草と言われるアキノノゲシですが、
パッと開いた淡い黄色のお花が
目を引いてきれいです。
イヌホオズキ(犬酸漿)

イヌホオズキも南広場に咲いていました。
こちらも雑草とされています。
ナス科ナス属の一年草。
山地や丘陵、道端などに生えます。
高さ20~60cmになります。
史前帰化植物とされています。
似た植物にワルナスビがあります。
花は似ていますが、
茎にトゲがあり
葉にはビロード状に毛が生えていて
中央脈にはトゲがあります。
イヌホオズキはつるんとした
印象です。

花は8~10月ころなので
そろそろ終わりです。
早く花が咲いたところには
実がなっていました。
熟すと黒くなっていきます。
小さいトマトのようで
美味しそうに見えますが・・・
ソラニンを含むため食べられないそうです。
キダチコマツナギ(木立駒繋ぎ)の実

今年は5月下旬から10月まで
花を咲かせて楽しませてくれた
キダチコマツナギ。
実がなっていました。
キダチコマツナギについて
詳しくはこちらをどうぞ。
→ キダチコマツナギ
ヤブコウジ(藪柑子)の実

別名、十両。
丘陵地林内の木陰にふつうに自生する。
地下茎を伸ばしてふえるので、群生していることが多い。
(ウィキペディアより)
赤い実が美しいです。
今回はB階段から降りたので、
ヤブコウジが群生しているエリアは
通らなかったのですが、
A階段を昇り始めたところに群生していて、
これからの季節きれいです。
B階段から降りたのは、これ↓を
見るためでした!
ツリフネソウ(釣船草)の実

ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。
山麓の水辺などに生えます。
10月の観察会の時は
たくさんの濃いピンク色の花を
咲かせていました。
1カ月たち、実がなっていました。
実を触ると勢いよくはじけて
種が飛びます。
鞘はくるくると丸まります。
実がはじける勢いがものすごいので、
毎回ドキドキしながら触って
その勢いにびっくりします(笑)
センニンソウ(仙人草)の実

9月にはきれいな白い花を咲かせていました。
つる性なので、
白い花がベールのようになって
とてもきれいでした(*^-^*)
10月に実がなり始め、
11月は実だらけでした!
綿毛が開いたら本当に
仙人のヒゲのように見えるでしょうね~!
***
まだ
も咲いていました。
昆虫
ネコハグモ

大きさ:オス3~4mm
メス4~5mm
分布:北海道、本州、四国、九州
出現期:6~11月
エサ:昆虫
葉上に天幕状網を造る小さいハグモ。
葉上に造る網は隙間が多く、虫が引っ掛かりそうに見えないが、知らずに進入した小さい虫を狩りするには最適な造りのようだ。
通常は葉の中心部で頭胸部を足で隠すようにして、じっとしている。
体色は暗褐色で白い毛が生えており、腹部は茶褐色で周囲が白い毛で覆われている.
アカメガシワの上に薄い幕のような
巣をつくっていました。
小さいので、頭のところも模様なのか?
と思いましたが・・・
足で頭を隠しているのですね。
クモでもいろいろな巣がありますね!
ジョロウグモ♀と卵塊

春に孵化し、雄で7回ほど、雌で8回ほど脱皮を繰り返して成体となる。
成熟期は9〜10月ごろで、この時期に交尾が行われる。
交尾は雌の脱皮直後や食餌中に行われる。
これは、交尾時に雌が雄を捕食してしまう危険があるため。10〜11月ごろに産卵、樹木や建物等に白色の卵嚢をつくり、卵で冬を越す。
幼体は春に孵化し、まどいと呼ばれる集団生活を送った後、糸を使って飛んで行くバルーニングを行う。
こちらのブログには産卵の様子が
写真つきで載っています。
ジョロウグモの巣とはだいぶ違う作りです。
幾重にも重ねられた白い糸は
子どもたちのベッドなのですね!
産卵する場所は木の幹などが
多いようですが・・・
これから葉が落ちてしまうかもしれません(^_^;)
無事に育つといいですね!
アゲハチョウの幼虫

幼虫の食草は、
サンショウ、イヌザンショウ、カラスザンショウ、ハマセンダン、各種ミカン類など。
(フィールドガイド日本のチョウより)
カラスザンショウの幼木にいました。
いたのは一匹でした。
無事に育つといいな~!
オオカマキリ

すみませんが(^_^;)
カマキリは苦手なので、
クローズアップしていません。
トネアザミにいました。
どこにいるかわかりますか?
***
その他、私は見ていませんが、
参加者の方見た昆虫をご紹介します。

Kさんより

Kさんより

Kさんより

Oさんより

Oさんより
KさんとOさん、
生き物を見つけるのが上手です。
いつもありがとうございます。
鳥
ウグイス幼鳥

森の中でもたくさんの鳥の声を
聞きながらの観察会でした。
唯一姿が確認できたのが、
この幼鳥でした。
多分ウグイスではないか
ということでした。
ウグイスの幼鳥は
成鳥と比べると顔から体下面に黄色味があります。
また、尾羽と翼が短く見え、嘴基部に黄色味が見られます。
う~ん・・・
嘴基部に黄色味は見られませんが。
他の特徴はウグイスのようです。
かわいらしく羽をばたつかせながら
親鳥を待っていました。
鳥の観察が楽しくなるのは、
もう少し先、
落葉してからですね!
***
④11月の生き物観察会~田んぼから境川遊水地につづく。
参考文献

