野の花苑
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弁天坂から見晴らしの丘
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そのつづきの、
くわくわ森で見られた生き物たちを
ご紹介します。
くわくわ森は、
私も日頃ボランティアでお手入れを
しています。
植物
トネアザミ(利根薊)(タイアザミ)
キク科アザミ属の多年草。
高さ1~2mになります。
森の中で作業をしている時に、
このトネアザミに触れると
チクチク痛いので、
作業の妨げになるところでは
刈られてしまいます。
秋の森の中を華やかに
彩ってくれています。
ノダケ(野竹)
セリ科シシウド属の多年草。
茎の高さ80~150cm。
細かい暗紫色と白のお花をつけます。
虫メガネが必要です!
こんなに地味なお花ですが、
蜜がたくさんあるようで、
よくスズメバチが蜜を吸っているのを
見かけます。
ガマズミ(鎌酸実)の実とガマズミミケフシ
ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木。
実が赤く色づき始めたところです。
よく見ると、
ほわほわの毛に包まれた実がありました。
虫えい(虫こぶ)です。
ガマズミの実につくので、
ガマズミ(鎌酸実)ミ(実)ケ(毛)フシ(五倍子)
フシ(五倍子)というのは虫こぶのこと。
この虫こぶを作るのは、
ガマズミミケフシタマバエ。
ガマズミの実にこのタマバエが
寄生すると、虫こぶができます。
ガマズミミケフシタマバエの幼虫は、
この虫こぶの中で、
ガマズミの実を食べながら育ちます。
参考:ガマズミミケフシ
ゴンズイの実
ミツバウツギ科ミツバウツギ属の
落葉小高木。
赤くなった実がぱっかり割れて、
中の黒い種が見えるようになりました。
赤と黒が目立ってキレイです!
木の実は鳥に食べられて消化され、
糞として排泄されることによって
発芽率が上がるものが多いそうです。
種を運んでもらう代わりに
おいしい果肉を提供する植物が多いなか、
ゴンズイは果肉がなく
硬い実はそのまま排泄されます。
種を鳥に運んでもらう戦略ですが・・・
他のおいしそうな木の実が
ぞくぞくと食べられていくなか、
ゴンズイの実は売れ行きが
よくないようです(笑)
ツルボ
9月頃から、見晴らしの丘に群生して
見事でした。
森の中はそれに遅れて咲き始めました。
日当たりのよいところに群生しています。
たくさんの蝶や虫が訪れています。
アキノタムラソウ(秋の田村草)
シソ科アキギリ属の多年草。
7~11月という長い期間、
花を咲かせて楽しませてくれます。
シラヤマギク(白山菊)
キク科シオン属の多年草。
高さ1~1.5mにもなります。
倒れてしまうこともしばしば。
倒れてしまってお花が
見えない状態になっているところは、
支柱を立てたり紐で養生しています。
白いお花が光に映えて
森の中を明るくしてくれています。
カラスノゴマ(烏の胡麻)
野の花苑でもご紹介しました。
ヤブマメ(藪豆)
森のいろいろなところで見られます。
通路からは見えませんが、
ヤブマメのお花畑のようになっている
ところもあるくらいです。
フジカンゾウ(藤甘草)
花を藤に、葉を薬用植物の甘草に
見立てた名前なのだそう。
実の形が眼鏡みたいで
おもしろい形なのは、
ヌスビトハギと似ています。
ヌスビトハギと同じく、
ひっつき虫です。
チヂミザサ(縮み笹)
イネ科チヂミザサ属の多年草。
初めて花を見ました。
こんなかわいらしいお花だったのか!と
ビックリしました。
葉が笹の葉に似て、
縁が縮れている特徴があることから
この名前がついたそうです。
これからの季節、たくさんの
湿り気のあるひっつき虫を作ります。
作業していると、たくさんの
ひっつき虫がついて、
取るのが大変です💦
カラスウリの実
白い花の先にレースがついているような
素敵なお花で見たいのですが、
夕方にならないと咲きません。
なかなか見に行く機会がなく、
まだくわくわ森のカラスウリが咲くのを
見たことがありません。
つり下がるオレンジ色のカラフルな実は、
秋の実りの豊かさを象徴するかのようです。
クサギ(臭木)の実
シソ科クサギ属の落葉低木・小高木。
赤いほおずきのような実が開き、
中から美しい青い実が現れます。
本当に宝石のような美しさ!
クサギの実はおいしいようで、
鳥がよく食べて森中に種をまきます。
そこらじゅうからクサギの芽が
生えてきています。
染物をしていたYTさんによると、
実で染色ができ、
きれいな水色になるそうです。
ノシラン(熨斗蘭)
キジカクシ科ジャノヒゲ属の多年草。
花が熨斗の形に似ているから
ノシランという名前がついたそうです。
遠目で見ると、
もじゃもじゃした花の房に見えます。
ノシランの花のアップ。
熨斗に似ていますかね~?
ヤマコウバシの実
クスノキ科クロモジ属の落葉低木。
葉をちぎったり枝を折ったときに
よい香りがすることから
この名前がついたそうです。
香りが気になりますね!
今回は実の写真を撮るので
頭がいっぱいでした。
また香りをレポートしたいと思います。
サンショウ(山椒)の実
ミカン科サンショウ属の落葉低木。
山地の雑木林などに自生し、和食料理に添えられる若葉は食材として木の芽(きのめ)とも呼ばれる。雄株と雌株が別々であり、春に葉のわきに黄緑色の花を咲かせ、雌株のみ実をつける。葉と雄花、球果に独特な香りを有し、香辛料として使われる。
赤い実がたわわに実って
きれいです!
ヒメキンミズヒキ(姫金水引)
キンミズヒキよりも背が低く
花のおしべが少ないです。
キンミズヒキよりも繊細で
やわらかい感じです。
ササクサ(笹草)
イネ科ササクサ属の多年草。
葉の形が笹にそっくりなので
ササクサと名づけられました。
本当に笹かと思うほどそっくりです。
私は天王森のボランティアを始めて
初めてササクサを知りました。
10月1日は、ちょうど花盛りでした!
ツリフネソウ(釣船草)
ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。
くわくわ森B階段の下の湿地に
群生しています。
とても小さな湿地ですが、
たくさんのツリフネソウが咲くと見事です!
これから種ができるのも楽しみです。
センニンソウ(仙人草)の実
写真の痩果の先につく白い長毛を
仙人のヒゲに例えたのではないかと
いわれていますが、
はっきりしないとのこと。
おもしろい実ですよね。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
花が釣鐘型で、根が朝鮮人参に
似ていることからこの名がついたそうです。
紫色がかったお花と
白いお花があり、
かわいらしくて咲くと嬉しいお花です。
若芽はトトキと呼ばれ、
春の山菜になるのだそうです。
アキカラマツ(秋唐松)
日当たりのよい山野に生えるそうですが、
道路沿いの側溝に咲いていました。
黄色みがかったもしゃもしゃしたお花です。
ナンテンハギ(南天萩)(フタバハギ)
葉がナンテンに似て
花がハギを思わせることから
この名前が付きました。
葉が2枚ずつつくことから
フタバハギの別名もあります。
昆虫など
ウコギハグキツトフシ
ウコギの葉のつけ根が
太くなっていました。
これも虫こぶなのだそうです。
ウコギハグキツトフシの名称はと云うと、ウコギの葉柄=葉茎(ハグキ)が苞(ツト:藁などを束ねて両端を束ねて中央部に物をいれるもの)のように膨らんでいる虫えい(虫こぶ)というところからきている。
虫こぶをつくっているのは、
ウツギトガリキジラミ。
ウコギはとげがあるので、
一部を残して刈る対象になっています。
でも、春に星形の小さなかわいい花を
咲かせます。
かわいいお花なので、観察しやすい
道のわきのウコギを残しておきました。
ゲジゲジの抜け殻
抜け殻も足がゲジゲジついていて、
すごいな~と思ってしまいました。
もはや、気持ち悪いを通り越して
芸術的とさえ思ってしまいます!
夜行性なので、
なかなか姿を見ることは
できないそうです。
キタキチョウ
森の中のコセンダングサ?で
吸蜜していました。
センダングサ属の植物は
ひっつき虫が困るので、
抜いてしまいたいのですが・・・
意外にチョウたちの大切な
蜜源になっています。
なので、ところどころ残してあります。
ムネアカハラビロカマキリの卵塊
ハラビロカマキリの卵塊は
単色なのだそうです。
オナガグモ
木や葉っぱに溶け込んでしまい
なかなかピントが合わず、
参加者の方がノートを背景に
かざしてくださいました。
そのおかげでやっと撮れましたが、
ピンボケです。
こんなクモ、初めて見ました!
ヒメグモ科オナガグモ属のクモで、
クモを食べるクモとして
知られているそうです。
習性も変わっている。網らしい網は張らず、枝先の間に数本の糸を引いただけ、というものである。これが他種のクモをもっぱら襲っていることが知られるようになったのは20世紀末のことである。
オナガグモがいた奥の葉っぱに
アマガエルが乗っかっていました。
アマガエル
アマガエル!
かわいいですね~(*^-^*)
私が撮ったのは、
超平凡な証拠写真レベルの写真。
Oさんが送ってくださった写真を見て
衝撃を受けました!
!!!同じ被写体なのに
このアートな写真は何???
他の方の写真を見せてもらえると、
刺激になって
「私もこんな写真が撮りたい!」と
やる気になります(^^♪
アカボシゴマダラ幼虫
アカボシゴマダラはエノキの幼木に
卵を産みます。
背中の突起の3つ目が大きいと
アカボシゴマダラなのだそうです。
外来種の蝶です。
また改めて記事にしたいと思います。
カラスウリクキフクレフシ
カラスウリの茎が異様に太くなって、
まるでインゲン豆のようになっていました。
これも虫こぶでした。
カラスウリ(烏瓜) クキ(茎) フクレ(膨れ) フシ(五倍子)
名前は虫こぶの姿そのままですね!
虫こぶの中には、
ウリウロコタマバエの幼虫が
いるそうです。
アオスジアゲハの産卵と幼虫
南広場のシロダモの幼木に
アオスジアゲハが産卵に来ていました。
アオスジアゲハはクスノキ科の木に
卵を産みつけます。
アオスジアゲハはアゲハチョウ科の蝶。
大きさ、55~65mm。
このアオスジアゲハさんは、
両方とも後ろ翅がなくなっていました。
前翅だけでも飛べるのですね!
たくさんの卵を産みつけていました。
初めて見ましたが、
卵…美しいですね!
アオスジアゲハの卵
後日、観察に行くと、
かわいらしい幼虫が
7匹見つかりました!
無事にチョウになってくれると
嬉しいです(*^-^*)
モンスズメバチ
私の写真はすべてピンボケ
だったので、
Iさんの美しい写真をお借りしました。
私はスズメバチにはあまり興味が
ないのですが・・・
森に関わる以上、
知っておいた方がいいようです(^_^;)
モンスズメバチについて調べると、
夏の訪れと共に、活発化するスズメバチ。中でも、その凶暴性と巨大な体躯で恐れられるのが「モンスズメバチ」です。他のスズメバチとは一線を画す、夜間も活動する習性や、巧妙に隠された巨大な巣を持つモンスズメバチは、まさに自然界のモンスターといえる存在。
また彼らの巣は特異な構造をしており、場所によっては人間の生活圏内にも作られることがあるため注意が必要です。
そんなに恐ろしいスズメバチなのか!
この写真のモンスズメバチは、
この草を鉄棒のようにして
くるくると回っていました(笑)
思わず笑みがこぼれてしまう光景で、
そんなに怖いスズメバチには
見えませんでした。
フタナミトビヒメシャク
チョウ目シャクガ科のガの幼虫。
アカメガシワの葉っぱをお食事中でした。
虫眼鏡でよく見ないと、
どっちが顔かわかりません(^_^;)
ツチバチの仲間
黒っぽいツチバチから
写真のような黄色と黒の縞々模様の
ツチバチまでいろいろなツチバチが
いるようです。
ツチバチとは、体長約15mm~25mmで比較的大きなハチの一種です。体色は表面が全体的に黒色で、体毛が生えています。ツチバチはハチの中では比較的おとなしい部類で、めったに人に襲い掛かるようなことはしません。 また一般的な巣を作って集団生活をおこなうハチと違い、単独で行動しています。
キバラヘリカメムシ
大きさ14~17mm。
体色が黒でお腹が黄色いのが成虫。
背中も黄色っぽいのが幼虫なのだそうです。
マユミに群生するらしく、
この日もマユミにたくさんいました。
ホシホウジャク幼虫
私の写真は白浮きしてしまって
ダメだったので、
IさんとOさんの美しい写真を
お借りしました。
なんだか、神秘的な写真ですね!
この幼虫、角があるので
野の花苑で見たシモフリスズメ幼虫と
同じ仲間。
スズメガの仲間です。
ヒトリガの仲間
ガの種類はとても多いようで、
同定できませんでした。
白くて黒い水玉模様が
とてもきれいなガでした。
私は見ていない昆虫たち
私は見ていないけれど、
参加者のみなさまが送ってくださった
写真を紹介します。
見たけれど、スルーしてしまった
虫たちもいますね!
みなさん、劇的なシーンを
写していてすごいな~と思いました。
アオバハゴロモ
アオバハゴロモを捕食中のカラスハエトリ
劇的な瞬間ですね!!!
ヒメクロホウジャク?の卵
すごい!芸術的で美しいです!
素敵な写真をありがとうございます。
***
田んぼから境川遊水地へつづく。
参考資料: