①11月の生き物観察会~野の花苑

 

毎月第一火曜日に開催されている
  天王森泉公園の生き物観察会。

www.tennoumori.net

 

9時~15時くらいを目安に

・野の花苑
・弁天坂から見晴らしの丘
・くわくわ森

お昼休憩を経て、
・田んぼ
境川遊水地

と生き物を見ながら回ります。

 

好きなところから参加できます。

途中で抜けることもOKです。

 

かなり自由な観察会で、
生き物に詳しい方々がたくさん
参加されます。

 

生き物のことを知らなくても
知っている方々からいろいろなことを
教えていただけます!

 

天王森泉公園付近は、
自然が豊かでたくさんの生き物が
見られます。

 

自分一人ではなかなか
見つけられない生き物も、
詳しい方々が一緒だと
いろいろな生き物たちが見つかります。

 

***

 

11月の観察会は
5日に開催されました。

 

22人の方が参加してくださいました。

ありがとうございました。

 

今回もいい気候で観察会日和でした!

 

野の花苑で見られた生き物について
ご紹介します。

 

2024年11月16日に追記しました。

 

 

植物

ノササゲ(野大角豆)の実

2024年11月16日追記

 

マメ科ノササゲ属の多年草

別名、キツネササゲ。

山野に生えるつる性植物。

 

10月に黄色い花を咲かせていた
ノササゲ。

2024年10月11日撮影

11月の今、紫色の実がなっていました。

 

実が熟して、鞘が開くのが楽しみです!

 

 

モッコク(木斛)の実

2024年11月16日追記

 

モッコク科モッコク属の常緑高木。

 

7月の生き物観察会の時には
花が咲いていたモッコク。

 

11月は実がなっていました。

 

天王森泉公園のモッコクは、
両性花でした。

 

両性花をつける株には、直径10 - 15mm の球形で卵状球形の果実が実り、秋(10 - 11月)になると熟す

果実が熟すと厚い果皮が不規則に裂けて、橙赤色の種子を露出する

この種子は鳥によって食べられて親木から離れたところまで運ばれると考えられている。

また、この種子は樹上で赤く目立つため、アカミノキの別名がある。

(ウィキペディアより)

 

かわいらしい実です。

 

モッコクは常緑ですが、
紅葉し落葉して
新しい葉に切り替わっていきます。

モッコクについては
こちらのページにまとめてあります。

whispering-of-trees.hatenablog.jp

 

 

ゲンノショウコ(現の証拠)の実

 

フウロソウ科フウロソウ属の多年草

花期は7~10月。

下痢止めや腹痛の薬草として有名です。

 

天王森泉公園では、
5月に咲き始めたゲンノショウコ

10月の今、花盛りで花畑になっています。

(10月の生き物観察会より)

 

日本原産のゲンノショウコ

 

11月の今、種になっています。

 

写真の棒状に立ち上がっているのが実です。

 

種が熟すと鞘が跳ね上がるように反り返り、
その反動で遠くまで種を飛ばします。

 

種を飛ばした後の形が
お神輿の屋根ように見えることから、
ミコシグサとも呼ばれています。

 

 

ナンバンギセル(南蛮煙管)の花と種

ピンボケで残念(;^_^A

 

ハマウツボナンバンギセル属。

 

一年生の寄生植物で、ススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生する

 

和名は、花の形を南蛮渡来の煙管(キセル)に例えたもの。

 

万葉集には思草(おもいぐさ)として出てくる。

 

8~10月に、12~20cmの花柄を直立し、その先に淡紫色の花を横向きにつける。

 

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

このナンバンギセルは、
イトススキに寄生しています。

 

このススキの根元に生えています。

 

8月にたくさん咲いていたナンバンギセル

 

11月になった今、
また一部咲き始めました。

 

8月に咲いていたものは、
今は実をつけていました。

 

ナンバンギセルの実

この実を開いてみると・・・

 

ナンバンギセルの種

黄色い粉のような種子が出てきました。

種子は0.25mmという細かさです。

 

風に乗って勢力を広げていくそうです。

 

 

コンギク(紺菊)

 

キク科シオン属の多年草

 

園芸品種です。

ノコンギクの紫がかったものを
掛け合わせて紫の濃い品種を
作ったのだそうです。

 

 

ノコンギク(野紺菊)

 

キク科シオン属の多年草

 

山野にごく普通に見られる。

8~11月に、茎の先に多数の頭花をつける。

 

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

こちらがコンギクの原種です。

 

 

シロヨメナ(白嫁菜)

 

キク科シオン属の多年草

 

山地の木陰や山道のわきによく見られる。

 

9~10月に、直径1.5~2cmの白色の頭花をつける。

 

和名は白花をつけ、ヨメナに似ることによる。

 

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

ノコンギクは日のよく当たる
ところに咲くので、
野の花苑や弁天坂などに
咲き誇っていますが・・・

 

シロヨメナは半日陰のような
ところに咲くので、
野の花苑の木陰や森に咲いています。

 

 

リンドウ(竜胆)のつぼみ

2024年11月16日追記

 

リンドウ科リンドウ属の多年草

 

秋の山野を代表する植物の一つ。

 

生き物マスターのYTさんによると、

リンドウは半日陰くらいの環境が
いいのですが、
日が当たらないと花が開きません。

 

花を開かせるのにはエネルギーが必要です。

 

リンドウは省エネで、
効率よく受粉するために
日が出ているときに花を開かせます。
とのこと。

 

よくできた仕組みですね!

ホント!感心してしまいます。

 

 

セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁子)

 

シソ科ヤマハッカ属の多年草

 

山地の木陰に生える。

 

花期は9~10月。

 

関屋とは、昔の関所もしくは関所の人たちの住まいのことで、本種が箱根に産することから箱根に縁のある関屋を冠したものという。

 

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

細い茎の先に紫の花が揺れて、
はかなげです。

 

 

ミゾソバ(溝蕎麦)

 

タデ科イヌタデ属の一年草

 

山野の水辺に多い。

 

8~10月に、枝先に頭状の花穂をつけ、10個ほどの小花が集まってつく。

 

花は淡紅色または白色で直径4~7mm。

 

 

葉や花がソバに似ることからこの名がついた。

 

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

館の裏辺りの水辺には
白い花が咲いています。

 

 

ミゾソバの葉が牛の顔の形に
似ていることから、
牛の額と呼ばれているそうです

 

そういわれて葉っぱを見ると
かわいらしい牛の顔に
見えてきます(*^-^*)

 

 

カニノツメ(蟹爪)

 

アカカゴタケ科カニノツメ属。

 

春~夏に、有機質にとんだ林地や林内の地上に生える。

幼菌は白色の卵円形。

やがて裂開して3~8cm程度の柱を出る。

傘と柄の区別はなく、頂部で合着する2本の腕が卵状の幼菌から突き出る。

腕は淡桃黄色から橙色で、上部は赤みが強くなる。

(GKZ植物事典より)

 

先端部の黒っぽい部分に粘液状になった胞子(グレバ)を付ける。

グレバは悪臭を放ち、ハエなどの昆虫を引き寄せ、胞子を散布させている「虫散布型」のキノコである。

ウッドチップを撒いた場所などに群生することがある。

(カニノツメより)

 

天王森泉公園でカニノツメが
見られるのは初めてです。

 

それにしても、
おもしろい形のキノコです!

 

本当にカニノツメが突き刺さっている
みたいに見えます(笑)

 

竹林の地面、栄養豊富なんですね!

 

 

タカアザミ(高薊)の綿毛

 

キク科アザミ属の二年草。

 

10月の生き物観察会のときには
きれいな花を咲かせていたタカアザミ。

 

11月は綿毛になっていました。

 

種を取ろうと話していましたが、
粃(しいな)ばかりでした。

 

粃(しいな)というのは、
草木の果実のよく実っていないもの
だそうです。

 

綿毛ばかりで、
種はできていませんでした。

残念です。

 

 

サクラタデ(桜蓼)

サクラタデとフトボナギナタコウジュ

 

タデ科イヌタデ属の多年草

 

毎年、シロバナサクラタデが
先に咲き始めて、
サクラタデが遅れて咲き始めます。

 

11月はシロバナサクラタデは
終わってしまいましたが、
サクラタデはまだ咲いていました。

 

 

フトボナギナタコウジュ(太穂薙刀香薷)

フトボナギナタコウジュとトラマルハナバチ

 

シソ科ナギナタコウジュ属の一年草

 

蜜がたくさんあるのか
虫たちに大人気です。

 

フトボナギナタコウジュと
ヤマトシジミ、ホソヒラタアブ

 

和名の薙刀は花穂の形、香薷は漢名。

(秋の山野草ポケット図鑑より)

 

 

ノハラアザミ(野原薊)

 

キク科アザミ属の多年草

 

乾いた草地、土手などに多い。

 

花は8~10月。

 

 

昆虫

ウスキツバメエダシャク

 

シャクガ科のガ。

大きさ:36~59mm。

 

出現期は6~11月。

 

成虫のエサは花の蜜。

 

幼虫は広食性でエノキ、クヌギ、その他広葉樹の他、針葉樹の葉を食べる。

(虫ナビより)

 

 

ツマグロヒョウモン

 

ノアザミツマグロヒョウモン
吸蜜しに来ていました。

 

ノアザミは本来春に咲くアザミですが、
狂い咲きで今きれいに咲いていました。


タテハチョウ科ヒョウモンチョウ属。

 

成虫の前翅長は、38~45mm。

 

オスとメスで翅の模様が違います。

 

メスはこんな模様です。

ツマグロヒョウモン

 

 

幼虫はスミレ科の植物を食べて育ちます。

 

館の入り口の右側にアツバスミレが
植えられています。


そこにたくさん卵が産みつけられ、
今年はたくさんの幼虫とさなぎ、
羽化したツマグロヒョウモンに出会えました。

 

 

地球温暖化にともなって、
分布が北方に拡大しているそうです。

 

東京付近では2000年代に入り普通に見られるようになった。
(フィールドガイド日本のチョウより)

 

 

アカタテハ

 

翅がボロボロのアカタテハ

 

タテハチョウ科のチョウ。

 

成虫の前翅長は35mmほどの中型のチョウ。

 

 

羽化するのは9月いっぱいくらいなので、
このまま成虫越冬するようです。

 

Kさんが送ってくださった写真

 

 

ナツアカネ

 

アカネ属のトンボ。

成虫は体長33-43mm、腹長20-28mm、後翅長23-32mm程度。

 

成虫は6月下旬頃から羽化が始まり、12月上旬頃まで見られる

平地から丘陵地にかけて広く分布する種で、明るく開放的な環境を好む。

羽化後はいったん羽化水域を離れて、付近の樹林の林縁や低山地に移動し、体が成熟するまでそこで摂食活動を行う。

未熟期には雌雄とも体色は黄褐色をしているが、成熟した雄は全身が赤化し、雌も腹部背面が赤化する個体が多い。

(ウィキペディアより)

 

成熟するとオスは全身が赤くなり、
頭部正面まで赤くなります。

 

この写真のナツアカネは、
頭部まで赤いので
成熟したオスのようです。

 

この時期、ナツアカネと
アキアカネが見られます。

 

翅胸の黒色条で見分けるそうです。

 

 

青い丸が翅胸。

矢印の黒色状で見分けます。

 

ナツアカネは黒色状がとがらず
横断しています。

 

アキアカネは黒色状がとがります。

(新日本の昆虫1900より)

 

Kさんが送ってくださった写真

真っ赤できれいです!

 

 

トラマルハナバチ

 

フトボナギナタコウジュで吸蜜する
トラマルハナバチ

 

ハチ目ミツバチ科のハチ。

 

このトラマルハナバチ
足に花粉をつけているので、
働きバチだそうです。

 

通常働きバチが活躍するのは
6~10月で、
そろそろ巣は終わるころなのだそう。

 

まだ働きバチが活躍しているなんて!

温暖化を感じてしまいますね(^_^;)

 

トラマルハナバチ
Kさんが送ってくださった写真

 

***

 

私は見ていないけれど・・・

 

Kさんはホソミイトトンボ
見たそうです。

 

ホソミイトトンボ
Kさんより

私も見たかったな~!

 

***

 

②11月の生き物観察会~弁天坂から見晴らしの丘につづく

 

参考文献