オレンジ色の蝶々たち

今年たくさんのオレンジ色の蝶々たちに出会いました。

 

同じように見えて、種類の違う蝶たち。

 

図鑑を見てはじめて、違う種類だということが分かりました。

 

そんな、オレンジ色の蝶たちについてまとめておきます。

 

 

アカタテハ

フジバカマで吸蜜するアカタテハ

 

・分布:北海道~本州、四国、九州、南西諸島

・見られる時期:3~10月

・大きさ(前翅長):3~3.5cm

・越冬形態:成虫

 

暖地では年3~4回、寒冷地では年1~2回発生。

越冬個体は3~5月までみられ、第1回目は5月下旬~6月に発生、遅いものは10~11月まで見られる。

 

食草はイラクサ科のエゾイラクサ、カラムシ、ニレ科のケヤキアオイ科タチアオイ、クワ科のカラハナソウバラ科のキジムシロなど。

 

成虫はノアザミなどの花で吸蜜。

湿地で給水。

クヌギなどの樹液や熟した果実で吸汁。

 

 

キタテハ

ノコンギクで吸蜜するキタテハ

 

・分布:北海道南部から本州、四国、九州・対馬種子島

・見られる時期:3月~10月

・大きさ(前翅長):2.2~3.4cm

・越冬形態:成虫

 

年2~3回の発生。

暖地では年4~5回の発生。

 

越冬個体は3~5月に見られ、第1回の夏型の発生は5、6月~7、8月に見られ、秋型は8月下旬~9、10月に見られる。

 

食草はクワ科のカナムグラ、アサ、イラクサ科のホソバイラクサカラハナソウなど。

 

成虫はオカトラノオヒメジョオンケイトウノコンギクなど多数の花で吸蜜。

樹液、アブラムシの分泌液、熟した果実、獣糞や動物の死体などで吸汁。

 

 

ツマグロヒョウモン

交尾中のツマグロヒョウモン

 

・分布:八重山諸島~九州、四国、本州の新潟・長野、関東地方北部まで

・見られる時期:2~12月

・大きさ(前翅長):2.7~3.8cm

・越冬形態:幼虫

 

暖地では年4~5回、北限に近い関東・中部地方でも年2~3回発生。

成虫は暖地で、2、3月~12月にかけて見られ、関東・中部地方でも4月~11月まで見られる。

温暖化などの影響で北限地が広がり、20年ほど前には東海南部から近畿地方以西に分布していたものが、現在では関東地方北部、新潟・長野県まで北限地が伸びてきている。

 

食草はスミレ科のスミレ類の各種。

 

成虫は草地や林緑、堤防、耕作地、草原、人家周辺、公園、市街地都会地など各地で見られ、海岸沿いから亜高山帯までと幅広く見られる。

ヨツバヒヨドリマリーゴールドアブラナウツボグサ、ヒャクニチソウ、コスモス、ブッドレア、ハルジョオン、クレソン、マツバボタン、キバナコスモスなど各種の花で吸蜜。

 

産卵は食草や周辺の枯れ草や小石などに1個ずつ産付。

幼虫もスミレ類やその周辺でよく見られる。

蛹化は食草周辺の枯れ草や鉢物などで行う。

 

ツマグロヒョウモンの幼虫
スミレの近くで発見!
トゲトゲに見えますが、
柔らかくて素手で触っても大丈夫です。

 

交尾中のツマグロヒョウモン

下のオレンジ色に黒の転々模様があるのがオスで、上の羽の先端に黒と白の模様があるのがメスなのだそうです。

 

羽を開いたらオレンジ色がとてもきれいですが、羽を閉じて横から見ると、かなり地味で枯草の中にいたら気づかないかもしれない感じです。

交尾中のツマグロヒョウモン

 

蝶々って、見る角度によってずいぶん違うんだな~と改めて気づきました。

 

なので、羽を広げたところを上からと、羽を閉じたところを横からと、両方記録した方がいいと思いました。

 

蝶に詳しい人からしたら、当たり前のことなのかもしれませんが・・・(^_^;)

 

私は今までそれほど昆虫に興味がなかったので、今回蝶のことを調べたら、驚きの連続でした!

 

図鑑を見ていたら、春型・夏型・秋型と模様や色が変化することが写真とともに説明されていました。

それも知らなかったので、驚きでした!

 

アカタテハ・キタテハ・ツマグロヒョウモン

みなタテハ科の蝶です。

 

どの蝶も、体から羽にかけてビロードのような毛が美しくて、うっとりと見とれてしまいました。

 

こんなにキレイだったのですね~!

 

蝶の大きさの測り方について

 

蝶の大きさについては、聞きなれない前翅長という測り方を知りました。

 

こちらのサイトを参考にさせていただきました。

開張と前翅長について

 

最後に、オレンジ色のシジミチョウ科の蝶々にも出会ったので、記録しておきます。

 

ベニシジミ

ハルジョオンで吸蜜するベニシジミ

 

・分布:北海道~本州、四国、九州・種子島

・見られる時期:3~11月

・大きさ(前翅長):1.3~1.9cm

・越冬形態:幼虫

 

暖地では年4~6回、寒冷地では年2~3回の発生。

3月中旬から春型が発生し、その後に夏型が5月下旬から現れるが、寒冷地では6月下旬~8月に現れる。

また、その後9~11月まで春型に似た秋型が姿を見せる。

春型と秋型は小型で表面が鮮紅色、夏型は表面の紅色が黒化する。

 

生息地は平地から山地の明るい土手や草地であるが、亜高山帯や高山帯でも発生する。

 

食草はタデ科のスイバ、ヒメスイバ、ギシギシ、エゾノギシギシ、ノダイオウであるが、高山帯ではタカネスイバを食しているものと考えられる。

 

成虫はアブラナセイヨウタンポポカントウタンポポ、シナノタンポポ、クサイチゴ、ネギ、レンゲ、シロツメクサヒメジョオンオオイヌノフグリタネツケバナノコンギク、ツメレンゲなどの花で吸蜜。

 

春型のシジミチョウ
夏型は表面の紅色が黒化するそう。
秋型は春型と同じ感じになるそう。
おもしろいですね!

 

天王森泉公園のボランティアに参加するようになって、蝶々のことも教えていただき、もっと知りたいと思うようになりました。

 

ベニシジミは、天王森泉公園では昨年はたくさん見られたのに、今年は見かけなくなったそうです。

 

その原因の一つは、幼虫の食草になる植物がなかったからなのではないか?と話していました。

 

ベニシジミの食草は、スイバ、ヒメスイバ、ギシギシなど。

主に雑草として根っこから刈られてしまう植物たちです。

 

水辺愛護会では、草はなるべく根っこから刈ってしまいますが・・・

蝶々のことを考えると、雑草も残せるところには残した方がいいですね

 

その辺りは、人間が場所を選んで計画的に草を残すところと、なくすところを決めるといいのではないかと思いました。

 

そういう観点から、蝶々などの生き物たちの食べ物を知っていること、生態を知っていることって大切なことだな~と改めて思いました。

 

生物多様を大切にしていくのであれば、生態を知ることは必須ですね!

 

もっといろいろな生物の生態を知っていきたいと思います。

 

 

参考文献