4月の生き物観察会~見晴らしの丘からくわくわ森で見られた生き物たち

毎月第一火曜日に開催している
天王森泉公園の生き物観察会

 

4月の生き物観察会のブログの
続きです。

whispering-of-trees.hatenablog.jp

 

見晴らしの丘で見られた生き物たち

植物

サネカズラ(実葛)の新芽

マツブサ科サネカズラ属の常緑つる性植物。

秋には赤い粒粒の丸い実が実ります。

新芽がまるで羽根つきの羽のように見えて
かわいかったです。

 

ミツバツツジ

ツツジツツジ属の落葉低木。

枝先に3枚の葉がつくことから
三つ葉ツツジと名づけられました。

華やかできれいなピンクが
春らしいミツバツツジ

弁天坂の途中左側に咲いています。

 

エドヒガン(江戸彼岸)

バラ科サクラ属。

日本に自生する10もしくは11種あるサクラ属の基本野生種の一つ。

和名の由来は、「エド」や「アズマ」は東国を意味し、関東地方のヒガンザクラ(彼岸桜)の意味である。

お彼岸の時期に咲くので、
彼岸桜といわれていますが・・・

今年はなかなか咲かなくて
心配されていました。

こんなにきれいに咲いてくれて
嬉しいです(*^-^*)

きれいなピンクで美しい桜です。

見晴らしの丘で咲いています。

 

見晴らしの丘から見える
野の花苑のヤマザクラも見事です!

 

オオシマザクラ(大島桜)

オオシマザクラはまだつぼみでした。

 

***

 

見晴らしの丘では、
雑草と呼ばれる
春の草花がきれいです。

 

ヒメオドリコソウオオイヌノフグリ

どちらも外来種ですが、
道端で出会う春の草花の代表です。

ピンクのお花がヒメオドリコソウ
シソ科オドリコソウ属の二年草。
ヨーロッパ、小アジア原産です。‹1›

ブルーのお花がオオイヌノフグリです。
ゴマノハグサ科クワガタソウ属の二年草。
ユーラシア、アフリカ原産です。‹1›

 

ヤエムグラ(八重葎)

アカネ科ヤエムグラ属の一年草~越年草。

茎と葉に下向きのトゲがあるので、
洋服などにくっつきます。

洋服にくっつけて遊んだことがある
おなじみの雑草なのではないでしょうか?

直径2mmほどの小さな花が咲いていました。

かわいらしいお花です。
花の時期は5~6月とのことなので、
これからもっと咲きますね!
花盛りの写真も撮りたいです。

 

カントウタンポポ(関東蒲公英)

カントウタンポポベニシジミが吸蜜中でした

キク科タンポポ属の多年草

日本タンポポの一つです。

日本のタンポポセイヨウタンポポ
見分け方は、

多くの在来タンポポ(日本タンポポ)と同じく、花のつけ根にある緑色の総苞の外片が反り返らずに垂れ下がらないのが、見分けを行う上で大きな特徴である。
(ウィキペディアより)

 

スズメノエンドウ(雀野豌豆)

マメ科ソラマメ属の越年草。

カラスノエンドウ同様、
つる性植物です。

スズメとつくのは、
カラスノエンドウよりも花が
小さいので、スズメなのだそうです。

3~4mmと小さなお花です。

 

昆虫

ベニシジミ

シジミチョウ科の蝶。

去年は天王森泉公園では
ベニシジミが見られなかったそうです。

その原因として、
幼虫の食草になるスイバやギシギシが
なかったからではないか?と
言われていました。

今年はいろいろなところに
スイバやギシギシが生えています。

もうすでにたくさんの
ベニシジミに出会えています。

 

イタドリハムシ

成虫は春から秋に主としてイタドリの上に見られ、その葉を食べる。ほかにオオイタドリスイバなども食草とする。(ウィキペディアより)

イタドリを食べるから、
イタドリハムシといわれるのですね。

テントウ虫の擬態をしているのだそうです。

テントウ虫は触られると臭い液を出して、
自分はまずい虫だ!とアピールします。

なので、テントウムシの擬態をして
自分はまずいよ!とアピールして
いるのだそうです。

 

くわくわ森で見られた生き物たち

植物

マルバスミレ(丸葉菫)

スミレ科スミレ属の多年草

草丈は5~7㎝くらいで、
花は直径2㎝くらいです。

葉が丸いのが名前の由来です。

 

イカリソウ(錨草)

メギ科イカリソウ属の落葉多年草

野の花苑にもたくさんの種類の
イカリソウがありますが・・・

こちらは自生しているイカリソウ

感慨深いです。

 

タムラソウの新芽と冠毛

タムラソウの冠毛

キク科タムラソウ属の多年草

アザミに似ているけれど、
アザミではない独立一種なのだそうです。

冠毛が美しいです。

根元には新しい葉が出てきていました。

タムラソウの葉

確かに、アザミとは全然違う葉っぱです。

大切にしてね!と教えていただきました。

私はまだ花を見たことがないので、
花が咲くのか楽しみです。

 

シュンラン(春蘭)

先日のブログでもご紹介しました。

whispering-of-trees.hatenablog.jp

見つけると嬉しい蘭です。

 

ヒトリシズカ(一人静)

野の花苑にもありますが、
くわくわ森にもところどころ
ヒトリシズカがひっそりと
花を咲かせています。

森で花を見つけるのは、
宝探しをしているみたいです!

見つかると
ものすごく嬉しくなります(^^♪

こちらは道際に咲いているので見つけやすいです
 
ゴンズイの新芽

3月に出た新芽がこんなに成長しました。

3月のゴンズイの芽吹き

芽吹きや新芽はどの木も
生命力に満ち溢れていて、
とても美しいです。

ミツバウツギ科ミツバウツギ属の
落葉小高木。

秋に真っ赤な実をつけ、
熟すと裂けて黒い種子が現れます。

 

アオキ(青木)の雌花・雄花

アオキの雄花

雄花は早々と3月には咲いていました。

雄しべが4本。

よく見ると、つぼみが
折り紙の風船みたいでかわいいです。

一方、雌花は・・・

3月のアオキの雌花

まだつぼみも見えない状態でした。

今のアオキの雌花は、

アオキの雌花

やっと咲き始めました!

確実に実をつけるために、
雄花がたくさん咲いてから
雌花が開くのだそうです。

実をつくることを考えて、
雌花は雄花より少ない花数です。

アオキの新芽はカニ爪みたいです(笑)

 

ウグイスカグラ(鶯神楽

3月に咲き始めたウグイスカグラ。

今は見頃を迎えています。

実は5月頃からだそうですが、
すでに赤くなり始めていました。

ウグイスカグラの実
ゼンマイ

ゼンマイ科の多年生シダ植物。

春の山菜です。

薄い綿のようなものに
覆われています。

右側のゼンマイは、
覆われていた綿のようなものを
取ったところです。

この綿のようなもの。
昔は綿のように詰め物として使ったり、
繊維にして編んだりしていたそうです。

昔の人の知恵ってすごいですね!

綿のようなものを取ると、
なんともアートな球体が出てきました!

自然の美しさには
いつも驚かされます(^^♪

 

ミズキ(水木)の新芽

ミズキ科ミズキ属の落葉高木。

上を見上げると、日の光を受けて
黄緑色に輝く開いたばかりのミズキの葉。

まるで黄緑色の花が
たくさん咲いているかのようです。

私はこの時期のミズキの葉っぱが
好きです(*^-^*)
本当にうっとりするくらい美しいです。

 

クスノキ(楠木)の新芽

クスノキ科ニッケイ属の常緑高木。

木から樟脳がとれる香木です。

新芽の頃は、華やかな白とピンクの
花が咲いたかのようです。

日の光が透けると本当にきれいです!

 

カマツカ(鎌柄)の新芽

バラ科カマツカ属の落葉小高木。

こちらの新芽も美しいです。

もうすっかり葉が出そろったので、
緑が濃くなってきましたが・・・

出始めは、葉の縁取りの赤がもっと濃くて
美しいのです。

カマツカの葉の出始め

かわいくて美しくて!
大好きな新芽です(^^♪

ベニシダ(紅羊歯)

オシダ科オシダ属の植物。

出始めは赤い色をしていますが、
成長すると緑色になります。

 

ウラシマソウ(浦島草)

サトイモ科テンナンショウ属の多年草

この茶色っぽいのが花です。

花からひものようなものが長く伸びています。
これを浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸に
見立てて浦島草と名づけられたと言われています。

釣り糸がヒュンヒュン出ていて、
おもしろい植物だな~と思います。

くわくわ森ではいろいろなところに
生えています。

私はウラシマソウは遠くの
自然が豊かな地に行かないと
見られないものと思っていました。

こんなに近くにたくさん咲いている
ところがあるなんて!
驚きました!

 

キブシ(木倍子)

キブシ科キブシ属の雌雄異株の落葉低木。

日本固有種です。

垂れ下がるかんざしのようなお花で
かわいらしいです。

 

ヤマザクラ(山桜)

バラ科サクラ属の落葉高木。

日本固有種で、日本に自生する
野生種の一つです。

サクラのいろいろな品種は、
美しい野生種株の掛け合わせで
作られているそうです。

ヤマザクラは花と葉っぱが
同時に出てきます。

素朴な美しさです。

この株は白い花をつけますが、
くわくわ森には他にも
ピンクっぽい花をつける木もあります。

 

オオジシバリ(大地縛り)

キク科ニガナ属の多年草

やや湿り気のある所を好むそうです。

 

キランソウ(金瘡小草)

シソ科キランソウ属の多年草
日本の在来種です。

野の花苑にも咲いていて、
野の花苑編でもご紹介しました。

くわくわ森の開けた
日あたりのいい場所にも咲いていました。

 

ミツバツチグリ(三葉土栗)

バラ科キジムシロ属の多年草

キジムシロやヘビイチゴなどに似て、
華やかな黄色のかわいいお花です。

三つ葉は葉が三つ葉だからわかるとしても、
なぜツチグリ?と思って調べてみました。

キノコ類のツチグリに似て、葉っぱが三小葉であるところから名付けられた。
(多摩発信の山野草ブログより)

という説もあれば、

ツチグリに似て根が肥大するのが和名の由来である。
(三河の植物観察より)

という説もありました。
どうなんでしょうかね?

 

アカメガシワ(赤芽柏)の芽吹き

トウダイグサ科アカメガシワ属の
落葉高木または落葉小高木。

赤い新芽が名前の由来だそうです。

森の中で真っ赤な新芽が映えて
美しいです。

 

ホウチャクソウ(宝鐸草)のつぼみ

イヌサフランチゴユリ属の多年草

名前の由来は、ウィキペディアによると、

寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾り(風鐸と呼称するのが一般的だが、宝鐸とも言う)に、花が垂れ下がって咲く形状が似ていることから名づけられた

私はまだ花を見たことがありませんが、
白~緑の美しいグラデーションの花
らしいので、楽しみです(^^♪

ヤマグワ(山桑)

クワ科クワ属の落葉小高木。
雌雄異株(まれに雌雄同株)。

マグワとの違いは、
・葉の先が尖っていること
・葉がギザギザしていること
だそうです。

クワの実、美味しいですよね!

この木は雄雌どちらでしょうかね?

 

ゴヨウアケビ

アケビアケビ属のつる性落葉低木。

葉が五枚なので五葉。
アケビという漢字はいろいろな字が
当てられているようです。

アケビの名前の由来は、
ウィキペディアによると

秋に楕円形の果実がつき、熟すと縦に割れて白くて甘い果肉と黒い種子を覗かせる様子から、「」の意味で名付けられたものである。

甘い果実!!
そういえば、時期になると
スーパーでも見かけますが・・・
食べたことはありませんでした。
くわくわ森にはたくさんあるので、
実がなるのが楽しみです(^^♪

アケビの花をアップで見ると、

咲き始めたのは雄花ですが・・・

雄しべの色といい花びらの色といい
和な感じですごくきれい!

日本には植物に例えた色が
たくさんあります。

自然は最高傑作アートのお手本ですね!

今度は雌花も見てみたいと思います。

 

ヤブコウジ(藪柑子)

サクラソウヤブコウジ属の常緑小低木。

冬に赤い実をつけます。
まだ実が残っていました。

センリョウ(千両)、マンリョウ(万両)
という赤い実がなる木がありますが、
ヤブコウジは別名、十両と呼ばれます。

確かに、実の数が十両な感じです(笑)

 

昆虫など

ビロードツリアブ

・大きさ:8~12mm

・見られる時期:3~5月

・分布:北海道・本州・四国・九州

(昆虫エクスプローラより)

春にのみ見られる、花で吸蜜するアブ
なのだそうです。

モコモコしていてホバリングする姿が
かわいいです。

 

***

 

次にご紹介するのは、
自然界の厳しさを象徴するような
写真です(-_-;)

 

タケカレハとタケカレハコマユバチの蛹

タケカレハというガの幼虫。
いわゆる毛虫に、
タケカレハコマユバチが
卵を産み付けます。

孵った幼虫はタケカレハの体液を
吸って成長します。

この白いのは
タケカレハコマユバチの幼虫が
蛹になったところです。

その間、タケカレハは
生きているのだそうです。
もうすぐ死んでしまうとのことです。

話を聞いていてぞっとしてしまいました。

こんな昆虫たちの世界があるのですね。

 

ハエトリグモの仲間

ハエのような小さな虫を取って
食べるクモで、益虫とされています。

網は張らず、歩き回りながら
獲物を狩るクモで、
日常でもよく出会うクモだそうです。

 

タツムリ

交尾中だったようです。

タツムリは柔らかい体の部分が
湿っていないと生きていけません。

森の木の葉の下は、わりといつも
湿っているので、カタツムリには
住みやすいのかもしれません。

***

タツムリは雌雄同体といわれます。

交尾の時はどうするのでしょう?
「じゃあ、自分がオスやるから、
あなたはメスやってね!」とか、
「メスやりたいから、
オスやりたいカタツムリ募集中!」
とか・・・???
人間界とはずいぶん違う
世界なのでしょうね。

 

アマガエル(雨蛙)

4㎝前後の小さな蛙です。

周りの状況に合わせて、
体色を変化させます。

ウィキペディアによると

この色の変化は、周りの環境、温度、湿度、明るさなどに応じてホルモンを分泌し、皮膚の色素細胞を拡張・伸縮させることによる。

私は、アマガエルは田んぼなどの
水辺にいるものと思っていました。

くわくわ森で笹刈りをしていると、
アマガエルがたくさんいます。

森に住んでいるのですね。

カエルは水辺に住むものと思われがちだが、ニホンアマガエルは樹上での生活に適応していて、水辺の植物の上や森林などに生息する。春から秋まで活動し、冬は温度差の少ない地中で冬眠する。

肉食性で、小さな昆虫やクモを
食べるそうです。

 

キタテハ(黄立羽

タテハチョウ科。

見られる時期は、3~11月。

成虫のまま越冬します。

こちらのブログに
オレンジ色の蝶についてまとめています。

whispering-of-trees.hatenablog.jp

 

虫が空けた木の穴

主に、ゴマダラカミキリによって
穴があけられているようです。

カミキリは、木の根元から50㎝程度の
高さのところに穴をあけて卵を産み付けます。

幼虫は木の内部まで入り込んで、
木の組織を食べてしまいます。

そのため、木は弱って
枯れてしまうこともあります。

***

以前聞いた話では、
カミキリが卵を産み付けるのは
直径20~30㎝程度の木なのだそう。

現代になって森が放置されるようになり、
太い木が増えました。

産卵場所をなくしたカミキリが
目をつけたのが、栗畑だったそうです。

でも、栽培されている栗畑では
カミキリは栗の木を荒らしてしまう害虫
になってしまいました。

庭木も同様です。

殺虫剤で殺されてしまい、
今はゴマダラカミキリ
数を減らしているそうです。

ゴマダラカミキリにも住みやすい
森があったらいいですね。

***

この話には続きがあります。

放置され太い木が増えた森。

太い木に産卵する虫が大発生しました。

それが、カシノナガキクイムシ

全国的に問題になったナラ枯れ
原因になった虫です。

何ごともバランスが大切だな~と
思います。

太い木を必要とする生き物もいますし、
細い木を必要とする生き物もいます。

自然のしくみを知って、
バランスの取れた森をつくるお手伝いを
していきたいと思います。

 

4月の生き物観察会~田んぼから境川遊水地
につづきます。

 

注釈がない引用は
ウィキペディアから引用しています。

参考文‹1›春の山野草ポケット図鑑 菱山忠三郎著 主婦の友社