4月の生き物観察会~野の花苑の生き物たち

毎月第一火曜日に開催している
天王森泉公園の生き物観察会

2024年4月2日(火)に行われた
生き物観察会で野の花苑で見られた
生き物たちをご紹介します。

 

 

植物たち

アツバスミレ(厚葉菫)

スミレ科スミレ属の日本固有種です。

太平洋側の海岸に咲くスミレです。

海岸型のスミレの特徴は、葉が厚いそうです。

 

スミレ

スミレ科スミレ属。

日本を代表する春のお花。

 

アカバミツマタ(赤花三椏)

ジンチョウゲ科の落葉低木。

赤花は園芸品種で、
自生しているミツマタは黄色です。

中国中南部、ヒマラヤが原産地と
されています。

三つ又に分かれた枝の先に花を咲かせます。

樹皮が和紙や紙幣の原料として
用いられます。

 

ミヤコワスレ(都忘れ)

ミヤコワスレは、日本が原産のキク科ミヤマヨメナ(ジムナスター)属の植物です。

ミヤコワスレは、日本固有の園芸種で鉢植えや切り花にもよく使われているので、日本では、古くから親しまれてきた植物です。

野生種「ミヤマヨメナ」から選抜交配された園芸種です。

BOTANICAより

 

アカオニタビラ(赤鬼田平子)

オニタビラコには、
アカオニタビラコ(赤鬼田平子)と
アオオニタビラコ(青鬼田平子)が
あるそうです。

アカオニタビラコは、
茎が赤くて一本だけ茎が立ち
花をつけます。

 

アオオニタビラコ(青鬼田平子)

アオオニタビラコは、
茎が緑色でたくさんの茎が立ち
花がつきます。

 

ペラペラヨメナ(源平小菊)

キク科の多年草

中央アメリカ原産。

葉が薄く、ヨメナのような花を
咲かせることから命名されたそうです。

2月の観察会の時よりも
花がたくさん咲いていました。

 

キランソウ(金瘡小草)

シソ科キランソウ属の多年草
日本の在来種です。

道端にも咲いている雑草とされ
草取りで抜かれてしまうことが多い草です。

でも、こんなにかわいらしい
雅な花が咲くのです!

個人的には抜かないで欲しいです。

 

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)

キンポウゲ科デルフィニウム属の一年草。

カタカナだとわかりにくいですが、
漢字で書くとなるほどな~と
思います。

葉っぱが芹葉、
花はツバメが飛んでいる姿
という花です。

かわいらしい花ですが、
あっという間に増えます。

 

キュウリグサ(胡瓜草)

ムラサキ科キュウリグサ属の一年草

雑草といわれますが・・・
花はわすれな草に似ていて
とてもかわいいです。

花は水色なのにつぼみはピンクで、
パステルカラーの組み合わせが
春らしくてかわいらしいです。

ですが・・・花は2mmと
とても小さいので、
目を凝らして見てみてください。

虫メガネがほしいです(笑)

キュウリグサの名前の由来は、
葉を揉むとキュウリみたいな
青臭い香りがするから。

本当にキュウリみたいな香りが
しますよ!

写真のキュウリグサは、
もう種ができ始めています。

 

ホタルカズラ(蛍葛)

下の写真はかわいいお花が
咲き始めたばかりだったのですが・・・

すでに何者か(虫)に
食べられていました。
美味しいのかな?

ムラサキ科多年草

草むらの中に点々とつける花の色を
蛍の光に例えたことに由来するそうです。

素敵な名前の由来です。

中国、台湾、朝鮮半島から日本にかけて
分布します。

レッドリストに指定されている県もある
植物です。

 

ハルユキノシタ(春雪ノ下)

ユキノシタ科の多年草

日本固有種です。

本州の関東地方から近畿地方
山地の岩上に生えます。

 

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)

ケシ科キケマン属の多年草

名前の由来は、三重県伊勢地方で子供たちが早春の植物のうちスミレを「太郎坊」と呼び、この花を「次郎坊」と呼んで、子どもたちが互いに、互いの植物の花の距(植物の花びらや萼 (がく) の付け根にある突起部分)を絡ませた引っ張り合いをして勝負をすることからその名がつきました。(ウィキペディアより)
(距の意味は、goo辞書より)

 

ヤマブキソウ(山吹草)

ケシ科の多年草

日本では、本州、四国、九州に分布し、
山野の樹林地に群生します。

世界では、中国に分布します。

名前の由来は、花の色が
ヤマブキの色だからだそうです。

 

ヒトリシズカ(一人静)

センリョウ科チャラン属の多年草

3月27日にはまだ葉は
開いていませんでしたが、
すっかり葉も開きました。

 

ユキモチソウ(雪餅草)

サトイモ科テンナンショウ属の多年草

花の中央に雪のように白いお餅のように
見える付属体があることから
雪餅草と呼ばれます。

日本の三重、奈良、四国の
限られた地方に自生しているそうです。

珍しい花であるがゆえに乱獲され、
現在は絶滅危惧種に指定されているそうです。

 

ラショウモンカズラ(羅生門葛)

シソ科ラショウモンカズラ属の多年草

名前はこの花を、渡辺綱羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てたものとされる。(ウィキペディアより)

名前の由来がちょっと怖いです(^_^;)

ラショウモンカズラは虫によって受粉する
虫媒花なのですが、長細い形の花なので
口がとんがっている昆虫でないと
蜜が吸えません。

マルハナバチ
・ビロードツリアブ
などの口がとんがっている昆虫
受粉のお手伝いをしてくれるそうです。

 

サギゴケ(鷺苔)

サギゴケサギゴケ属の多年草

前はムラサキサギゴケと呼んでいましたが、
最近、紫色のサギゴケサギゴケ
白色のサギゴケはシロバナサギゴケ
呼ぶことになったそうです。

花が紫色で、形がサギ(鷺)が飛んでいるようすに見立てて苔のように広がっていることから名づけられました。(ウィキペディアより)

 

イカリソウ(錨草)

メギ科イカリソウ属の落葉多年草

イカリソウの名前は、
漢字で「錨草」と書き、
花の形が和船の錨に似ていることに
由来します。

野の花苑にはたくさんの種類の
イカリソウが咲いています。

トキワイカリソウ

紅花イカリソウ
園芸種です

キバナイカリソウ

梅花イカリソウ

クサノオウ(瘡の王)

ケシ科クサノオウ属の一年草

名前の由来は、

本種の和名クサノオウについては以下の3つの命名由来説がある

  1. 植物体を傷つけると黄色から橙色の乳汁を滲出するので草の黄であるという説。
  2. 皮膚疾患に有効な薬草という意味で瘡(くさ)の王だという説。
  3. 皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に用いられたことから、薬草の王様という意味で草の王である。という説。
    (ウィキペディアより)

毒草として注意が必要ですが、
薬草として使われてきた歴史が
あるそうです。

 

オドリコソウ(踊子草)

シソ科オドリコソウ属の多年草

名前の由来は、花が笠をかぶった
踊り子たちが並んでいるように
見えるからだそうです。

 

オオアラセイトウ(大紫羅欄花)と菜の花

オオアラセイトウは、
アブラナ科一年草

原産地は中国。

オオアラセイトウはたくさんの
別名を持ちます。

・ショカッサイ(諸葛菜
・ムラサキハナナ
ハナダイコン

私もこの3つの名前で呼ぶことが
多かったのですが・・・
オオアラセイトウというのが
本当の名前のようです。

ウィキペディアによると、

農地の拡大や都市化の進行によっていったん衰退したスジグロシロチョウが、20世紀後期になって都市部を中心に個体群を増大させたのは、このチョウの食草として好適なオオアラセイトウの分布拡大の影響が大きいといわれている。

この日も、スジグロシロチョウ
オオアラセイトウの周りで
交尾をしていました。

 

シラユキゲシ(白雪芥子)

ケシ科シラユキゲシ属の多年草

中国東南部の高原地帯原産。

とても可憐なケシですが、
よく増えます。

 

キジムシロ(雉莚)

バラ科キジムシロ属の多年草

和名の由来は、花後の葉が放射状に展開し、
その株の姿がキジ
が休むムシロに
例えられたことによるそうです。

キジムシロ全体を写すと
こんなに大きいです。

本当にキジが休みそうなくらい
大きくて、素敵なムシロです。

 

アカシデ(赤四手)の花

カバノキ科クマシデ属の落葉広葉高木。

たくさんの花が落ちるのですが、
ほとんどが雄花です。

アカシデの雄花

雄花は前年に伸びた枝に咲き、
広い卵型をした赤い「苞」の中には
8本の雄しべがあります。

アカシデの雄花のアップ

雌花は雄花ほど目立たない紐状で、
その年に伸びた短い枝先に直立あるいは
垂れ下がります。
(庭木図鑑庭木ペディアより)

雌花も探してみましたが、
見つかりませんでした(-_-;)

来年は雌花も探してみたいと思います。

つぼみがついていた植物

ノアザミ(野薊)

キク科アザミ属の多年草

つぼみが開き始めたところです。

 

ユキザサ(雪笹)

ユリ科多年草

名前の由来は、
花が白いので雪、
葉が笹に似ているので笹
なのだそうです。

 

ジュウニヒトエ(十二単

シソ科キランソウ属の多年草

名前の由来は、花が重なって咲く様子を
女官が着る十二単に見立てたことに
よります。

雅な名前ですね。

 

昆虫

スジグロシロチョウ

交尾中のスジグロシロチョウ

白い羽の蝶がオスで、
黒い筋が目立つ蝶がメスです。

私は今まで蝶の種類に興味がなかったので、
てっきりモンシロチョウなのだと
思っていました(^_^;)

オオアラセイトウのところで
紹介しましたが、
農地の拡大と都市化によって
数を減らしていたスジグロシロチョウが、
オオアラセイトウが増えたことによって
数を増やしたそうです。

その通りです!といわんばかりに、
オオアラセイトウで交尾していました。

交尾しながら飛ぶ姿も見られました

その他にも、
キタキチョウ
・ツマキチョウ
が見られました。

飛んでいるツマキチョウ

ツマキチョウはなかなか
とまってくれません。
ピンボケのツマキチョウ
ですみません。
今度、ツマキチョウがとまるまで
粘ってみようと思います。

動物

クリハラリス(台湾リス)

特定外来生物として
迷惑がられているクリハラリス。

神奈川県では爆発的に増えて、
果樹園などでは被害が大きいようです。

でも、やっぱりしぐさがかわいいのです。

この時も、何か持ってる?と思ったら、

手に木の芽を持っていました。

次の瞬間には食べ終わっていました(笑)

 

4月の生き物観察会で見られた
見晴らしの丘~くわくわ森の植物たちにつづく。