草刈りの実験場をいただきました!

2022年6月、地元
和泉川の水辺愛護会に
入会しました。

 

私は除草清掃班で、
主に草刈りを担当しています。

 

草刈りをするうちに
いろいろなことに気づき、
疑問もわいてきました。

 

その一つが、
『草を刈る時に根から
刈ってしまっていいのか?』
ということでした。

 

こちらのブログに疑問をまとめています。

whispering-of-trees.hatenablog.jp

 

 

「根から刈ってしまっていいの?」という疑問が生まれた

水辺愛護会に入会して
草刈りをするとき、

雑草がすぐに繁茂してしまうから、
なるべく根から刈るように
教えていただきました。

 

最初は、草を刈っているだけで
楽しくて癒されていました。

 

でも、次第にこれでいいのかな?
と思うようになりました。

 

なぜかというと、
根から草を刈ってしまったところは、

  • 土が乾燥しやすく、
    掃くと土ぼこりが舞う。
  • 雨が降ると、土が流れ出してしまう。

ということに気づいたからです。

 

雨で流れ出した土の上には、
当然のように新しい雑草が生えます。

雑草の生える範囲が広がり、
いたちごっこです。

 

雑草を根から刈らなければ、

  • 土の乾燥を防げるのではないか?
  • 土が流れ出すのを防げるのではないか?
  • すでに草が生えているので、
    新しい草が生えるのを防げるのではないか?

と思いました。

 

水辺愛護会では、
景観・美観を大切にしています。

 

景観・美観の基準は人によって
それぞれだとは思いますが・・・

私は、高い草がボーボーに
生えていなければ、
緑があってきれい!
と感じます。

 

雑草たちとどのように
つき合っていけばいいのか?

どうしたら、雑草たちを
きれいだと思ってもらえるような
環境がつくれるかな?

と思いました。

 

疑問への答えをもらえる一冊に出会う

そんなことを思っていた時に
出会った本が、
『雑草と楽しむ庭づくり』
でした。

 

読んでみると、
私の知りたいことが
たくさん書かれていました。

 

疑問の一つ一つに
納得できる答えをもらえた気分でした。

 

根から刈ってしまっていいのか?

この疑問は多くの人が
思っていることなのだそうです。

 

それに対する答えは、

「それぞれの庭の状態やその人が庭で何をやりたいかで、どうするかが決まる」

と書かれていました。

 

結局、人間の価値観によって
庭をはじめとする
自然は左右される
ということだと思います。

 

私は、景観・美観も
大切にしながら、
雑草をきれいだと思って
もらえるような環境をつくりたい!
というのが目標です。

 

雑草を生かすためには

『雑草と楽しむ庭づくり』の中で
おススメされていた方法は、
刈りそろえるという方法でした。

 

高さをそろえて刈れば、緑のグラウンドカバーのようになり、遠目から見れば緑のじゅうたんに見える。

それはまさしく日本の昭和30年代くらいまであった原っぱの光景だ。

 

また、刈ることにより、雑草の遷移を止めることができる。

野放図に伸ばしていると、どんどん丈の高い雑草が増えていき、地面の下の方で生える雑草は、光合成ができなくなり絶えていく。

これが自然の雑草の遷移だ。

 

それを止めるためには、人間の手によって、ぼうぼうにならない程度に「刈る」とよい。

とくに一年草の雑草には、効果が高い。

 

刈りそろえていると、短い丈でも花がつくようになることに気づき、これには驚かされた。

種子をつけ、子孫を残していく雑草の知恵だろう。

 

私たちは草刈りが好きだ。

雑草を抜くのではなく、短く「刈る」のだ。

だくだくの汗をかきながらも心地よいのは、刈った草の甘いにおいのせいかもしれない。

このにおいの奥には、人間が本能的に安心できる「緑への信頼感」のようなものが含まれているような気がする。

 

草を刈った後の草の香り・・・

子供の頃に好きだった香りです。

初夏~夏の香り

豊かさを感じる香りでもあります。

 

この文章を読んで、
私もやってみたい!と思いました。

 

雑草を刈るのに効果的な刈り高5㎝

草刈りの後に咲いたニワゼキショウの花

『雑草と楽しむ庭づくり』には
雑草を5cmに刈るといいと
書いてありました。

 

私たちは、雑草の高さが5㎝になるように刈っている。

この高さで刈っていると、そのうちに5㎝前後の草しか生えてこなくなる。

それ以上の高さの雑草は、花芽を刈られてしまうので、種をつけられなくなるからだ。

 

そして、この高さで刈っていると、雑草の生長がもっとも遅くなる、ということにも気づいた。

短ければもっと効果が上がるかと、5㎝以下で刈ってみたこともあったが、そうするとより強く再生しようとするため、グイっと急激にのびてくる。

 

5㎝ぐらいの高さがあると、地表への日光を遮り、他の雑草の種が発芽するのを抑制することができる

また、地表の熱が奪われにくく、適度な湿り気も保持でき、打ち水効果のように夏は涼しいうえに、土壌生物たちの棲み処も提供できる

 

この方法をお客さんに伝えると、精神的に楽になったという人が多かった。

みんな、根こそぎ全部抜かなければいけないと思いこんでいたのだ。

 

「雑草があると打ち水効果のように涼しい」
これは、私も実感しています。

そのうえ、生き物たちに優しい。

 

地球温暖化対策としても
雑草はあった方がいいのですね!

 

これを試してみたい!と
強く思うようになりました。

 

けれども、水辺愛護会のみなさんは
草をきれいに取り除くことを
誇りに思われている様子です。

 

みなさん70~80代。

その年で、『何かを変える』
ということは大変なことだと思います。

とくに自分の価値観を変える
ということは大変なこと!

 

私は、みなさんにこの思いを
話すことを躊躇していました。

 

訪れた転機

環境再生医の講義を受けてから、
ますます生き物たちが
生きやすい環境づくりに
気持ちが傾いていきました。

 

そんなある日、
水辺愛護会の草刈りがありました。

草刈りをすることになった場所は、
私にとっては草を刈る必要がない
と思うようなところでした。

 

それでも最初は
草刈りをしようと思いましたが、
体が動きません。

だんだん悲しくなって
きてしまい、
私はいったんその場を離れました。

 

歩いていると、
会長のTさんがいました。

Tさんに声をかけられ、
私は正直な気持ちを話しました。

すると、Tさんの反応は
「そういう時代だよね」
生物多様性を大切にする時代
なんだよね」

その反応に
私はびっくりしました!

そんなにすんなりと
私の思いを理解しようとして
くださるなんて!

驚きと共に、
とても嬉しくなりました。

 

それから、会長のTさんは、
どのように草を刈ったらいいの?
こういう場合はどうしたらいいの?
と、いろいろ質問しながら
私の話しを聞いてくださいました。

 

私はそれを試したいけれど、
みなさんにも同じようにやって欲しい
とは思っていない、
ということも伝えました。

 

けれども、会長さんは
「どうせなら、みんな同じ方向を
向いてやっていきたい」
とおっしゃって・・・

生物多様性について
お茶の時にでもみんなに話す時間を
つくりましょう。
講義じゃないけど、みんなにも
話してよ!」と言われました。

 

願ってもない展開でした。

本当に嬉しくてありがたく思いました。

 

同時に、みなさんはどう思われるかな?
という不安な気持ちもわいてきました。

 

みんなそれぞれの思いがあるから、
それでいいし、それを尊重しよう!
と思いました。

 

私の草刈り実験場

私の草刈り実験場に祀られている弁才天様の祠

5月に入り、
会長のTさんに
「刈り高5㎝の草刈りを
試したいから、実験場が欲しい」
という話をしました。

 

草刈りの結果が現れてくるのに、
3年はかかると書かれていたので、
早めに試し始めたいと思ったのです。

 

Tさんは「いいね!
その経過もみんなに話してよ!」
と快諾してくださいました。

 

私の草刈り実験場は、
駅から一番遠いところの
川の両岸に決まりました。

 

川の両岸で生えている
草の種類がだいぶ違います。

「試してみるのに
おもしろいかもしれないよ」と
会長のTさん。

 

そのエリアは、ナガミヒナゲシ
びっしり花を咲かせていて、
とてもきれいなのですが・・・

種がはじけたら大変!と
私が気になっていたエリアでした。

 

そして、
通るたびにいつも手を合わせる
弁才天様が祀られています。

 

やはり、ここになったな~と
弁才天様に導かれているような
気持ちになりました。

 

まずは、
・どこから手をつけたらいいか
・どんな草が生えているか
知るために見回りました。

 

草刈り実験場のことについては
今日はここまでにしておきます。

また次の機会に
経過報告を書きたいと思います。

 

すべてに感謝☆

 

引用はすべて
『雑草と楽しむ庭づくり』からです。