ホタルブクロとヤマホタルブクロ

2025年6月13日 天王森泉公園
野の花苑にて撮影

神奈川県横浜市にあります
天王森泉公園でボランティアをしています
青い鳥です(*^-^*)

 

6月に入って野の花苑では
ホタルブクロとヤマホタルブクロが
きれいに咲き誇っています。

 

昨年初めて知った、
ホタルブクロとヤマホタルブクロの見分け方と
花が性転換することについて
書きたいと思います。

 

ホタルブクロ(蛍袋)

2025年6月5日 天王森泉公園
野の花苑にて撮影

 

●科名・属名:キキョウ科ホタルブクロ属の多年草

●生息場所:各地の丘陵や山地

●花期:6~7月

●高さ:40~80cm

●分布:日本全土。朝鮮、中国

 

和名の由来は、この花の中に子供が蛍を入れて遊んだことによるとか、ちょうちんの昔の呼び名である「火垂る袋」によるものとかいわれている。

(夏の山野草ポケット図鑑より)

 

 

ヤマホタルブクロ(山蛍袋)

2024年6月4日 天王森泉公園
野の花苑にて撮影

 

●科名・属名:キキョウ科ホタルブクロ属の多年草

●生息場所:ホタルブクロよりも深山に見られる

●花期:6~8月

●高さ:30~60cm

●分布:本州(東北地方南部~近畿地方東部)

 

ホタルブクロの変種とされる。

(夏の山野草ポケット図鑑より)

 

 

ホタルブクロとヤマホタルブクロの違い

ホタルブクロとヤマホタルブクロの
写真を見ると、
どちらも同じように見えます。

 

ヤマホタルブクロの方が濃いものが多い
という話もあるようですが、

野の花苑には濃いホタルブクロも
薄いホタルブクロもあります。

濃いヤマホタルブクロも
薄いヤマホタルブクロもあります。

 

では、どこで見分けるのでしょうか?

 

 

違いは萼片で見分けます。

 

ホタルブクロは萼片の湾入部が
そり返ります

 

一方、ヤマホタルブクロは
ふくらんでいます

 

ホタルブクロの萼片は、
湾入部がそり返る

 

ヤマホタルブクロの萼片は、
湾入部がふくらむ

 

 

性転換するホタルブクロ

ホタルブクロは性転換します。

 

花が性転換するなんて聞くと
驚きますよね!(私は驚きました)

でも、よくあることなのだそうです。

 

ホタルブクロはオスからメスへと性転換します。

これを雄性先熟といいます。

 

 

ホタルブクロはつぼみのうちに
雄しべが熟し花粉を出すのだそうです。

 

そして、その花粉は
まだ受粉できない雌しべの花柱に
くっつきます

 

それから、花が開きます。

 

雄性期の雌しべ

雄性期の雌しべは先端が丸く
まだ受粉できません。

 

雌しべの花柱にはたくさんの
花粉がすでについています。

 

雄性期の雄しべ

花が開いた後の雄しべは
すでに枯れているのだそうです。

 

花が開くとハナバチたちが
花の中に入ってきます。

 

ホタルブクロの花のつけ根に蜜があるため、
ハナバチたちは花の奥へと
入って蜜を吸うのです。

 

そのときに、ハナバチの背中に
花粉がつきます。

 

ハナバチは他のホタルブクロの花に入り、
雌性期の花の雌しべに花粉を運びます。

 

雄性期の雌しべの花柱に花粉がなくなると、
雌しべが熟して先端が3つに分かれ
雌性期を迎えます

 

雌性期の雌しべ

 

雌性期を迎えたホタルブクロは、
ハナバチが花粉を運んでくるのを待ち
受粉します

 

 

なぜ、オスからメスへと
性転換するのでしょうか?

 

それは、自家受粉しないようにする
仕組みなのだそうです。

 

自家受粉すると、
自分と同じ遺伝子を持った
子孫ができてしまいます。

遺伝子は多様性がある方が
生き残っていくうえで有利です。

 

同じ遺伝子ばかりだと、
その遺伝子がかかりやすい病気にかかったときに
全滅してしまう危険性が高くなります。

 

また、近親交配が続くと
奇形や欠損などが起こりやすくなり、
変異株が生じやすくなります。

 

それらを防ぐために、
オスからメスへと性転換して
他の花と受粉できるようにしている
のだそうです。

 

すごくよくできた仕組みですね!

自然の仕組みは本当によくできていて、
感心してしまいます🌟

 

 

オスからメスへと性転換する花は、
虫媒花といって、
虫に受粉してもらう花が多いのだそうです。

 

ホタルブクロの中をよく見ると・・・

 

花びらの内側にはたくさんの
毛のようなものが生えています。

 

これは、ハナバチたちが
花の奥まで入り込みやすいように、
足場になっているのだそうです。

 

なんとも親切な花の構造です。

 

きちんと自分に有利なように
虫が協力しやすいように
できているのですね!

 

知れば知るほど奥深い
ホタルブクロの世界です。

 

花と虫は協力し合っていて、
お互いのためになるようにできている✨

 

ホタルブクロが減ってしまうと、
ホタルブクロを好む虫も減ってしまいます。

 

ホタルブクロを好む虫が減ると、
ホタルブクロも減ってしまいます。

 

どちらも大切に守っていきたいですね。

 

そして、花と虫のいい関係を
末永く続けていってほしいものです💖

 

自然の素晴らしさに感謝🍀

 

 

天王森泉公園のホームページはこちら

www.tennoumori.net

 

参考にさせていただいたホームページ:

Dr.カーバチの虫メガネ

オスからメスに変わる?!雄性先熟ってなんだ?